民主党は、総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)の重点項目に郵便貯金の縮小を柱とした郵政改革案を盛り込む方針を決めた。日本郵政公社を維持したまま、現在1千万円の郵貯の預け入れ限度額を700万円に引き下げることを明記する。郵政改革は重点項目としない方針だったが、「論争を避けている」との批判が強まることを恐れ、方針を転換した。総選挙での与野党対決の構図に影響を与えそうだ。
民主党の郵政改革案は、郵貯資金が特殊法人の無駄遣いにつながっていることを指摘。民間資金を公的部門に流す役割を必要最小限に抑えることを目的とする。そのため、郵貯の預け入れ限度額をただちに700万円に引き下げた後、段階的に500万円まで引き下げることを明記する。
また、「郵便事業への(民間企業の)参入要件や経営に対する過剰な行政の関与を排除する」ことにも触れる。将来の経営形態については今年3月にまとめた党の改革案は「あらゆる選択肢を否定するものではない」としているが、マニフェストでの表現は調整中だ。
民主党は当初、「郵政問題は自民党内の争い。相手の土俵に乗ることはない」(幹部)と、具体的な郵政改革案を明示することは避ける方針だった。岡田氏は郵貯と簡易保険の民営化論者だが、党内に郵政関係労組の支援を受ける議員がいることから、民営化策を打ち出せない背景もあった。
しかし、小泉首相は選挙戦に向けて郵政法案に反対した自民党の「造反組」と民主党を同列に扱った批判をしている。このため、「ここで郵政への姿勢を示さないと、有権者から逃げていると思われる」(執行部)との意見が強まり、年金や外交などとともに重点項目とすることを決めた。
岡田代表は13日午前、大阪市内での街頭演説で「十数年かけて(郵政事業を)民営化しようというのが小泉さんのプラン。(民主党案なら約230兆円の)郵貯の規模を100兆円ぐらいは縮小できる。限度額の上限を700万、500万と引き下げていく。膨張した郵貯の規模を、もとに戻すのが私たちの政策だ」と訴えた。