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30日のイラク主権移譲を前に、首都バグダッドなどで相次ぐ自爆テロをめぐり、サウジアラビアの過激派が関与している疑いが浮上している。1日の暫定政府の発足以来、車に爆弾を積み込んだテロは20件を超え、犠牲者は200人に迫る。アラウィ首相は「外国人がイラクを揺さぶるため卑劣な手段を使っている」との見方を示し、厳重警戒を指示している。
自爆テロは、昨年8月にシーア派聖地ナジャフでシーア派指導者が殺害された事件以来、国連、イラク警察、占領当局などを標的にして断続的に続いてきた。特に今月に入って異常なペースで多発している。
数百キロの爆発物を準備し、自爆志願者を集めるには相当な組織力が必要だ。米軍やイラク警察はテロ犯の素性に関する証拠をほとんど公表していない。
17日にイラク軍の募集センターで35人が死亡した事件の犠牲者が搬送された病院で、朝日新聞記者は「(自爆した)運転手は長いあごひげをはやし、両手を車のハンドルに鎖で縛っていた」という複数の証言を得た。長いあごひげは、イラクでは「ワッハーブ派」と呼ばれるサウジの影響を受けたイスラム厳格派の特徴だ。
一方、14日に米国人請負業者ら13人が死んだ自爆テロについて、有力アラビア語紙アルハヤトは最近、サウジ北部のハーイル出身のサウジ人の男性(25)が実行犯だと実名をあげて報じた。家族のもとにイラクで「殉教」したという連絡が入ったという。
家族の話によると、この男性は3カ月前にイラクに行き、2週間前に「アラブ戦士の集団と一緒にいる」と連絡してきたという。テロ実行犯の死亡を家族に伝えるのはパレスチナの過激派では一般的だが、イラクの自爆事件では例がなかった。
サウジでは昨年5月と11月にリヤドで、外国人住宅地に対する車爆弾を使った自爆テロがあった。自殺が禁止されているイスラム教で、自爆を「聖戦」の手段として正当化する過激派組織が存在することを意味する。
サウジは80年代の旧ソ連軍のアフガニスタン侵攻時に、ムジャヒディン(イスラム聖戦士)を多数送り出した。国際テロ組織アルカイダの主要メンバーもサウジ出身だ。
浮かび上がるのは、イラク戦争後にサウジ国内で反欧米の自爆テロを始めた過激派が、砂漠の国境線を越え、イラクで「聖戦」を展開しているという構図だ。
一方、政府高官を銃撃する暗殺事件も連続している。こうしたテロには、旧フセイン政権の治安情報部門がかかわっているとの見方がある。
(06/21 19:01)
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