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米英占領体制下のイラク統治評議会が、女性団体や人権活動家から猛反発を買っている。婚姻や離婚、相続など女性の地位にかかわる民法の諸規定を「イスラム法(シャリア)で置き換える」と昨年末に決定したことがきっかけだ。国内外の批判で決定は棚上げになったが、女性の権利に関しては「サダム時代より逆行しかねない」と心配する声も聞かれる。
昨年12月29日に出された「決定137号」。もし発効すれば、男性が2人以上の妻をめとる場合、これまで最初の夫人の承諾が必要だったのが不要になる▽女性側からの求めによる離婚が難しくなる▽離婚しても子どもの養育権を取りにくくなるなど、イラクの法体系を大きくイスラム教原則に基づいたものに変えることになる。
「女性の権利を全否定するこんな動きは絶対に受け入れられない」。イラク女性連盟(約1500人)事務局長のサミラ・フセインさんは、朝日新聞記者にそう語った。
サミラさんの話では、統治評議会(現在24人)の女性メンバー3人がいずれも不在の時をねらって、わずか15分程度の討議だけで決定を出した模様だ。司法委員会の審議も経ていないという。昨年12月の当番議長は、シーア派宗教政党イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のハキーム師で、イスラム法による政治を目指すとされる同党の力を背景に、任期切れを前に駆け込みで通した、とみられている。
同連盟のメンバーを含む数百人の女性らは、バグダッドで抗議デモを実施。統治評議会女性メンバーのスングル・チャプクさんも参加した。今月2日には、米連邦議会の超党派の女性議員らがブッシュ大統領に書簡を出す騒ぎにまで発展した。
このため、統治評議会の1月当番議長パチャチ氏は「手続きに欠陥があり、決定自体が無効」との見解を表明。暫定占領当局(CPA)の報道官も「ブレマー代表に決定は届いておらず、考慮すべき対象にはなっていない」と、沈静化をはかった。
サミラさんは「サダムは女性を弾圧したが、イラン・イラク戦争や湾岸戦争で男性の働き手が減り、一定程度の女性の社会進出は認められた。私たちが勝ち取った成果が台無しになりかねず、新憲法の制定に向けて、女性の権利獲得に向けた運動を強めたい」と話している。
(02/16 08:08)
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