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イラク復興支援のため陸上自衛隊の先遣隊約30人が16日、成田空港を出発した。日本にとって戦闘が続く他国への初の地上部隊派遣。本隊が派遣されれば、人員はイラクで活動する各国の中で比較的大規模となる。ただ、できるだけ安全な地域を探したため、活動場所は主にイラク南東部の一部に限られる。政府は自衛隊による人的支援と途上国援助(ODA)による資金支援を「車の両輪」と位置づけるが、現地の治安悪化によって、ODAによる援助も難航が予想されている。米英を中心にした占領統治下で、6月末までのイラク人による暫定政権への主権移譲に向けた、日本の貢献が本格化する。
イラクへの軍事組織の派遣は、日本の自衛隊が米英を含め38番目。G8(主要8カ国)では米、英、カナダ、イタリアに続く。
イラク戦争に反対したフランス、ドイツ、ロシアは復興にも軍を派遣しておらず、米国の自衛隊派遣への期待は大きかった。「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と、1000人規模の地上部隊派遣を繰り返し求め、政府はできるだけこれに応えようと、陸海空3自衛隊をあわせ最大で約1050人を派遣する計画。その場合、38カ国中8番目の規模になる見通しだ。
米国が本来、望んでいるのは戦闘が続く治安維持活動の肩代わりだが、日本には憲法上の制約があるため踏み込まず、活動の中心は浄水・給水をはじめ人道復興支援だ。イラクで安全な飲み水を使える人の割合は90年には75%だったが、戦争後の昨夏には46%に減った。ただ、陸自が活動するサマワ周辺の人口はイラク全体の1%に満たない。
昨年10月、マドリードで開かれたイラク支援国会合で、約70カ国と国際機関が最大400億ドル(約4兆2300億円)の拠出を約束した。日本は15億ドルの無償援助と円借款をあわせ、07年までに総額50億ドルの拠出を表明。米国の203億ドルに次ぐ2番目の規模だ。
各国や暫定占領当局(CPA)の復興事業は、テロが頻発する不安定な治安状況のため、軌道に乗っていない。このため電気や通信、医療施設など生活基盤整備が遅れている。発電所の非稼働率は60%で、各地で電気が供給されるのは数時間に限られ、発電機に頼る生活を強いられている。失業問題も深刻化し、住民の不安は高まっている。
日本政府もこうした点に着目し、発電機の設置などをイラク特措法の基本計画に盛り込んだ。だが、民生支援の担い手となるはずの文民の派遣は昨年11月の日本人外交官殺害事件を受けて、なおめどが立たない状況だ。
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先遣隊は17日にクウェートに到着する。米軍のキャンプ・バージニアに滞在し、ロシアの輸送機で別途到着するトラックや軽装甲機動車、無線などの装備品が砂塵(さじん)の中で実際に作動するかどうか、数日間かけて試験する。
順調にいけばサマワへは来週中にも到着する。陸路で国境を越えて向かう予定で、米軍キャンプからは約10時間という。サマワではオランダ軍の宿営地に寝泊まりし、現地の治安情勢の調査や、宿営地の土地の借り上げにあたるなど、2月に予定されている本隊の受け入れ準備をする。
16日午後、東京・市谷の防衛庁では部隊の編成完結式に引き続き隊旗授与式があり、石破防衛庁長官が「憲法の精神、日本人としての義務を果たし得るのは自衛隊しかない」と話した。
出席した先遣隊員を含む約180人の派遣要員はこの後、家族や職員1000人余りの待つ庁舎前広場に出て激励式にのぞんだ。隊員たちはベレー帽と迷彩服で2列に並んで行進した。背中と左肩に日の丸が縫いつけられ、胸には英語とアラビア語で「日本」の文字。若い隊員が多く、見送りの群衆には幼い子どもの姿が目立った。
先遣隊長の佐藤正久1佐(43)は、「イラクの人々と汗をかき、与えられた任務をまっとうし、全員が無事に帰ってきます」とあいさつした。
先遣隊員は同日夕、バスで成田空港に到着した。防衛庁によると、一緒に記念写真を撮ったり、子供を抱き上げたりしていたという。隊員たちを乗せた民間機は午後7時13分、離陸した。
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小泉首相は16日、欧州訪問から帰国した石破防衛庁長官と首相官邸で会い、イラク南部の治安を担当する英国や、陸自の派遣先であるサマワ一帯の治安維持にあたるオランダなどの受け止めについて報告を受けた。
首相は石破長官に「英国やオランダの支援は本当にありがたい」と述べた。陸自先遣隊の出発については「無事に任務を果たしていただきたい。それだけですね」と記者団に語った。
(01/16 21:16)
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