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石破防衛庁長官は9日夕、イラクで人道復興支援をする陸上自衛隊の先遣隊に派遣命令を出した。先遣隊は約30人が16日ごろ民間航空機でクウェートに出発し、数日中に活動の拠点となるイラク南東部サマワに入る。先遣隊は本隊派遣を前提にした準備のためのもので、戦闘状態が続く他国の領土に武装部隊を送る初めてのケースとなる。同長官はまた、支援物資などの輸送業務に当たる航空自衛隊の本隊(約150人)にも派遣命令を出した。
石破長官は派遣命令を出した後、防衛庁で記者会見し、「引き続き、隊員の安全確保のために考えられうる最大限の努力をする」と語った。長官は11日に欧州に出発。イラク南部の治安を統括する英国と、サマワの治安維持にあたるオランダなどを訪問し、自衛隊派遣の方針を説明し、現地での両国軍の協力を要請する考えだ。
小泉首相は9日夜、首相官邸で記者団に対し、「必ずしも安全とはいえない危険を伴うかもしれない困難な任務。だからこそ自衛隊諸君ならやってくれるだろうという多くの国民の期待に応え、今まで訓練してきた。イラクの復興・安定は日本の国益に直結する」と語った。
陸自先遣隊は、石破長官の帰国を待って16日ごろに出発。サマワ周辺で治安情勢を調査するとともに、本隊派遣を前提にしたオランダ軍や自治体などとの調整や、宿営予定地の地権者との土地貸借契約などを行う。また、クウェートやバグダッドなどで米英の暫定占領当局(CPA)などとの調整にあたる。武器は小銃や機関銃などを携行し、ロシアの大型輸送機で運び込む軽装甲機動車8台で移動する。
先遣隊のうち数人は1週間程度で帰国。小泉首相に最新の治安情勢を報告する。首相はこの報告を受け、本隊要員の安全が確保できると判断できれば、改めて陸自派遣に慎重な公明党と協議し、本隊派遣を最終判断する。首相が承認すれば、本隊の第1陣として宿営地設営のための施設部隊約80人を早ければ今月末に送り、残りの本隊約440人を2月下旬から3月下旬にかけて3回に分けて派遣する予定だ。
本隊の宿営地は、見晴らしの良い砂漠地帯に設営。鉄条網で二重に囲んだうえ、堀や赤外線センサーで守りを固め、主な任務となる浄水・給水支援は宿営地内で行う、などの安全対策をとる。無反動砲や個人携帯対戦車弾など、自衛隊の海外派遣では初めてとなる威力のある武器も運び込む。
一方、空自は、既にC130輸送機の受け入れ調整にあたる先遣隊48人がクウェートとカタールに派遣されている。本隊は今月下旬、同輸送機3機でクウェートに向けて出発。飛行訓練などを行った後、2月以降にイラクに入る。バグダッドやバスラなどの主要空港のほか、サマワ近くのナーシリヤにある軍用空港などを拠点に支援物資の輸送業務を行う。また、陸自の機材や車両などを輸送する海自の輸送部隊には、2月中旬に派遣命令を出す予定だ。
(01/09 21:02)
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