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米軍によるサダム・フセイン元大統領の身柄拘束についての世界の関心の的は、「元大統領の居場所を米軍に知らせたのは誰か」という推測と、これから元大統領が、どう裁かれるのかという問題だ。二つの要素が、米国への対決姿勢をとってきた独裁者の運命を占うかぎとなる。
●12日の拘束が決め手
拘束の発表から一夜明けた15日、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙など米メディアが伝えた政府高官らの話を総合すると、元大統領ら政権幹部の行方を追っていた部隊は最近、情報収集の対象を、主に元大統領側近の政府や軍の高官から、出身部族や親族関係者などに変えた。これが功を奏した。
拘束の1、2週間前には、元大統領の家族関係者からの事情聴取を強化。一連の調べで得た供述を基に、親族や部族のつながりから糸をたぐり寄せ、元大統領に近い人物を5〜10人に絞ったという。
「事態打開の決め手」(ニューヨーク・タイムズ紙)になったのは、バグダッドの民家捜索だった。この時拘束したイラク人が、フセイン元大統領の居場所について供述した。12日のことだった。政府関係者は、この人物が元大統領の氏族あるいは部族のメンバーであることを明らかにしたという。
これが事実だとすれば、フセイン氏が大統領時代に唯一の頼みの綱とした血縁地縁に亀裂が入ったことになる。
14日の英紙サンデー・タイムズによると、レバノンに住む第2夫人のサミラ・シャーバンダルさんが最低週1回はフセイン氏から電話か手紙を受けていたと報じている。米情報筋にとってはフセイン氏個人が外部と連絡をとるチャンネルとして、居場所追跡の重要な材料になった可能性はある。
●今後どう裁くのか
今後、フセイン元大統領をどこで裁くかは、イラクの統治評議会や6月までに成立する暫定政府にとって、自らの正統性を問われる問題だ。特に、フセイン政権時代に様々な人権抑圧を受けてきたシーア派やクルド人にとっては、設置されたばかりの特別法廷で裁くことが主権の行使となる。国外での裁きの場に引き渡されることになれば、大きな反発が起こることは必至だ。
国内の特別法廷で裁くべきだとする統治評議会のハキーム議長は、訪問先のマドリードで、15日付の地元紙に対し、「サダムは国内でかつてない罪を犯した」とし、国内法の最高刑は死刑だと述べた。だが欧州には死刑制度への反対が多く、国際法廷を設置すべきだとの意見も根強くある。
米ワシントン・ポスト紙は、フセイン元大統領に対する米軍などの尋問は、大量破壊兵器の所有をはじめ、国際テロ組織との関連や化学兵器の使用、大量虐殺など多岐にわたるとみられ、「尋問だけで数カ月、場合によっては数年かかる」見込みだと伝えた。
(12/15 23:40)
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