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バグダッドでの爆弾テロで死亡したデメロ国連事務総長特別代表(55)は、将来の事務総長候補の一人とも目される有能な国連官僚だった。今年5月にアナン事務総長からイラク担当の特別代表に任命され、6月2日にバグダッドに着任した。米国との調整を含む様々な難問に直面していた模様で、早い段階で現地の外交団に「仕事が難しい。4カ月の任期1期限りにしたい」と公言していた。
9月末の任期切れで本来の職である国連人権高等弁務官に再び専念するまで、あと6週間だった。
バグダッドでデメロ氏は、米英暫定占領当局(CPA)のブレマー代表とは良い関係を築いていた。元々、米政府の評価が高く、その意向をくんで特別代表に指名された経緯もある。
だが、イラクにおける米国の圧倒的に大きな存在は、そうした個人的な関係や評価を超えて、デメロ氏を国連代表としての職務との板挟みに追い込んでいたようだ。安保理側からはフランス、ロシアを中心とした「イラク再建で国連の政治関与を強めよ」という圧力が強まっていた。
5月にデメロ氏を特別代表に指名した際、アナン国連事務総長はデメロ氏の希望を入れて任期を4カ月に限った。だが、イラクという難問を扱うには短すぎる期間。アナン氏は、再任に期待をかけていたといわれる。
デメロ氏はブラジル人でリオデジャネイロの高校を卒業後、パリ大学で哲学を学び学士、修士と二つの博士号をとった。国連とのかかわりは69年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)勤務を始めてからで、その後東ティモールやコソボで事務総長特別代表を務めた。
UNHCR時代は当時の緒方貞子・難民高等弁務官の信任が厚かったことでも知られる。緒方さんはデメロ氏の能力に加え、穏やかでバランスの取れた人柄を高く評価していた。
(08/20 10:16)
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