イラク国民議会選挙は15日に実施される。投票を翌日に控えた14日、イラク移行政府は国境と空港をすべて閉鎖、軍や警察を総動員し、厳戒態勢に入った。テロを防ぐとともに、スンニ派の投票を促すためだ。しかし、国内では、選挙の破壊を宣言しているイスラム過激派によるとみられる襲撃が相次いだ。
バグダッド市内ではこの日、各地に検問所が設けられ、投票所の周囲には警官や兵士らがバリケードを設営した。官庁や企業も休業。許可のない車の通行も禁止された。街頭からは人影や車が消えた。
バグダッドの商店街カラダ地区の治安維持を担当するイラク軍軍曹(37)は「これまでの選挙に比べ、警備はさらに厳重だ」と朝日新聞の助手に話した。
治安が比較的安定している南部のシーア派地区でも厳戒態勢が取られた。ナジャフ警察のカリーム本部長は「総員1万4000人を動員し、投票所の半径150メートルを閉鎖して有権者を身体検査する。砲撃を防ぐため半径500メートルにイラク軍が展開し、その外を多国籍軍が警戒する3段階作戦でテロを防ぐ」と話した。
一方、選挙関係者への襲撃も続いている。西部ラマディでは13日、スンニ派の「イラク自由進歩党」のミズハル・ドレイミ党首が銃撃を受け、死亡した。同氏は04年の日本人3人拉致事件の際、解放交渉の「仲介役」を自称してメディアに登場したことで知られる。また、中部ティクリートでは14日、投票所が約30分間銃撃を受けた。