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狙われた日本サイト、イスラム武装勢力映像掲載

2005年05月16日18時45分

 イスラム過激派「アンサール・アルスンナ」を名乗る組織が15日、公表した「襲撃場面」のビデオ映像は、イラク問題とはかかわりがない日本の個人サイトに掲載された。専門家によると、昨秋以降、日本の無料アップロードサイトがテロリストの犯行声明などに利用されるケースが増えているという。

 サイバーテロ研究のサイト運営者は同日午前7時ごろ、国内のサイトにイラク関連の映像が掲載されていることに気付いた。調べてみると、同日午前4時17分にアップされたもので、アラブ首長国連邦のインターネット会社が提供するサービスを利用し、ドバイから接続された可能性が高いという。

 保坂修司・日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究主幹は、「イスラム武装集団側に、アラブ各国政府の検閲をすり抜けて犯行声明や画像を世界に機械的に配信するマニュアルがある」とみる。

 保坂氏によると、昨年9月にイラクのイスラム武装勢力が誘拐した米英人人質3人の映像が日本国内の掲載サイトに掲載されたのが始まり。アラブ世界では検閲が厳しく自前のサイトがつぶされ、欧米では不審なサイトはすぐに削除されてしまうため、結果的に管理の甘い日本のサイトに流れてくるのではないかとみる。武装勢力の間で、こうした日本の「投稿先リスト」が出回っていると推測する。

 これまでに、のべ100以上の日本のサイトが、イスラム武装勢力に使われているのを確認したという。

 保坂氏は「イスラム武装勢力は、インターネット上で自分たちの存在を誇示する戦いを『デジタル・ジハード』といい、研究熱心だ。日本のサイトが知らず知らずのうちに犯罪行為に加担してしまっている」と警鐘を鳴らす。

 サイバーテロ研究のサイト運営者は、イラク情勢に動きがあるため、テロリスト集団から何らかのメッセージがないか、国内の約50のサイトを頻繁にチェックしていた。「ただ乗り」されたサイトのほとんどは個人が運営する趣味的なサイトで、容量が大きく内容のチェックも甘いことなどが背景とみる。

 運営者によると、昨年10月の香田証生さんの事件のほかイラクの警察官の斬首の映像なども国内のサイトに掲載された。接続経過をたどると、アラブ首長国連邦のほかチュニジア、サウジアラビア、ギリシャなどを経由した形跡があるという。

     ◇

《無料アップロードサイト》 アップロードとは、自分のパソコンからネットワークに写真や動画などの情報を送ること。これを料金などを求めずに許し、公開したり、一定の人に見せたりできるサイトを指す。中には匿名で利用することができるものがあり、いくつかの中継路を経ることで発信元の痕跡を消す手法も存在する。


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