イラクで拘束された斎藤昭彦さん(44)の弟の会社員博信さん(34)は15日、千葉市内で記者会見した。映像が公開されたことについて、「どうしてこんな時期に公表したのか、違和感を感じる」「心の中に怒りにも似た言葉はある」と話したが、「(武装勢力を)刺激したくない」と、言葉をのみ込んだ。
博信さんによると、家族は自宅でテレビ映像を見た。「兄の姿を確認できない映像というところに、こちらの反応をうかがっているようにも受け取れる」と話した。そのうえで「私たちにできることは最悪のケースも頭に入れつつ、武装勢力からの接触など安否にかかわる情報を待つことです」。
博信さんは13日には、武装勢力側にテレビで解放を呼びかける考えがあるかを問われ、「不用意なことを言って兄の立場が悪くなるのは本意ではない」とし、武装勢力側を刺激しないことを優先してきた。15日は武装勢力側に今後、何を期待するかを質問され、「ノーコメント」と答えた。
博信さんによると、外務省から15日午後の電話で、映像で昭彦さんの姿は確認できないが、昭彦さんを含む一行が襲撃された時のものである可能性が高いと伝えられた。また、一緒にいた同僚が昭彦さんに逃げる方向を指示してもらったと証言していることも知らされ、「兄を誇りに思う」と話した。
発生から1週間が過ぎたが、「政府などが対策本部を設けて兄の安否を気遣ってくれているなかで、長引いていることは申し訳ない」とし、「一日一日長引くほど私たち家族は心が痛む」と語った。