JR宝塚線(福知山線)の脱線事故を受けた再発防止策として、JR西日本は20日、周囲の列車に危険を知らせて二重衝突を防ぐ最新型の防護無線や、運転士が操縦不能になった場合に自動的に列車を止める緊急列車停止装置(EB=エマージェンシーブレーキ)などを、在来線の全列車に整備すると発表した。予算は数億円になる見込み。
防護無線は列車の運転台にあり、作動させると半径1キロの列車に緊急信号を発信し、停止させる。
脱線した快速電車にも防護無線は整備されていたが、事故などで主電源が切れるとスイッチを押して予備電源に切り替える必要のある旧型で、車掌がスイッチを押さなかったため作動しなかった。
最新型は、スイッチを押さなくても自動的に予備電源に切り替わる。整備率は57%にとどまっており、来年9月までに全列車に導入する。
EBは運転士が意識を失った場合など、1分間操作をしないとブザーが警告し、さらに5秒間操作しないと自動的にブレーキをかける仕組み。整備率は59%で、10年度をめどに完備する。
同社はまた、緊急時に運転台のスイッチを押すだけで、非常ブレーキや防護無線、汽笛などを一斉に作動させる緊急防護装置も10年度をめどにすべて整備する。同装置の整備率は37%。
一方、JR東日本によると、同社の防護無線は、ほぼ100%の列車が自動切り替えタイプを装着済み。EBの整備率は48%だが、08年度末までに全列車に装備する計画という。また、JR東海の列車は予備電源つきの防護無線は装備しておらず、同社は「今後装備を検討する」としている。EBの整備率は75%で、07年度末までに100%にする計画という。