JR宝塚線の脱線事故から8日後に、同じような惨事を起こそうとJR阪和線の踏切に置き石をしたとして、威力業務妨害罪に問われた住所不定、無職の土居敏之被告(67)の判決公判が9日、大阪地裁であった。遠藤邦彦裁判官は「電車の安全な運行に対する重大な挑戦で、単なるいたずら目的を超えた悪質さがある。検察官の求刑は軽きに失する」として、法定刑の上限の懲役3年(求刑懲役2年)を言い渡した。
判決によると、土居被告は今年5月3日夕、大阪市東住吉区のJR阪和線の踏切で、下り線の軌道上に幅約21センチの石を置き、京都発関西空港行きの特急列車「はるか43号」を急停止させた。
土居被告は所持金を使い切った自己嫌悪から自殺しようとしたものの実行できず、宝塚線の脱線事故のような事故を引き起こせば死刑になると思いついたという。
遠藤裁判官は、被告に12犯の前科があり懲役刑を受けた期間が計29年2カ月に及ぶことから、再犯のおそれが否定できない点も考慮。「他の置き石事例との刑の均衡を意識しなければならない事案ではない」と結論づけた。