兵庫県尼崎市で起きたJR宝塚線(福知山線)の脱線事故で、兵庫県警捜査本部(尼崎東署)が、事故を起こした列車の運転士が所属していたJR西日本大阪支社の橋本光人・前支社長(辞任)から参考人として事情を聴いていたことが5日、わかった。運転士の勤務実態や労務管理、安全対策への取り組みなどについて詳しく聴取したとみられる。捜査本部は、6日に公表される国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の中間報告の内容も踏まえ、同社の管理部門に対する業務上過失致死傷容疑での捜査を続ける方針だ。
大阪支社は、大阪府のほぼ全域と京都、兵庫、奈良、三重の一部の鉄道事業を統括している。事故列車を運転していた高見隆二郎運転士(23)=死亡=が所属していた京橋電車区も管轄しており、支社長は執行役員で、支社の業務運営全般の責任者にあたる。
捜査本部や事故調査委の調べで、事故を起こした快速電車は、始発の宝塚駅に入る際に2度非常ブレーキがかかって緊急停止▽伊丹駅で約70メートルオーバーラン▽脱線現場のカーブに制限速度70キロを大幅に超える115キロ前後で進入した――など、高見運転士の異常な運転が判明している。
捜査本部は、事故の背景には、同社の労務、運行管理や安全対策での問題があった可能性もあるとみており、橋本前支社長ら同社幹部からの聴取が不可欠と判断したとみられる。これまで、橋本前支社長を含む70人以上のJR関係者から事情を聴いたという。
橋本前支社長は、事故当日に同支社の社員がボウリング大会を開催していた問題の責任を取る形で、5月26日付で辞任している。