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「日勤教育」や列車ダイヤ見直し JR西日本が安全対策

2005年05月07日12時11分

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事故の再発防止策について記者会見するJR西日本の丸尾和明総合企画本部副本部長(中央)と徳岡研三鉄道本部長(右)=7日午前10時43分、大阪市北区のJR西日本本社で

 兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)の脱線事故を受け、JR西日本は7日、安全を優先する企業風土の構築や保安システムの整備など再発防止に向けた5項目の取り組みを明らかにした。京阪神の主要路線に新型の自動列車停止装置(ATS―P)を全面導入するほか、事故の背景として指摘されている過密なダイヤを解消するため、列車本数の減便も検討する。4月25日の事故発生後、同社が安全対策について具体的な方向性を示したのは初めて。同社は、国土交通省から5月末までに提出するよう求められている「安全性向上計画」に成案を盛り込む。

 鉄道本部長の徳岡研三専務と丸尾和明・総合企画本部副本部長が7日午前10時半から大阪市北区の本社で開いた記者会見で明らかにした。

 5項目は(1)安全を優先する企業風土の構築(2)運転保安システムの整備(3)列車ダイヤの見直し(4)安全を担う人材育成、教育指導のあり方(5)情報伝達のあり方。

 同社では事故後、脱線した快速電車に乗り合わせた運転士2人が救助活動をせずに出勤したことや、事故当日に天王寺車掌区などでボウリング大会やゴルフコンペなどの催しを開いていたことが発覚した。丸尾副本部長はこうした問題を生んだ企業風土について、「(事故を起こした)すべての底辺にあるという認識を持っており、現状を洗い出す」と述べた。

 今回の事故では、高見隆二郎運転士(23)=死亡=は70キロの制限速度を30キロ以上超えてカーブに進入していたとみられている。宝塚線はATS―Pの整備が遅れており、このカーブにも設置されていなかった。このため、同社は「アーバンネットワーク」と呼ばれる京阪神の主要路線にATS―Pを整備し、ローカル線には現行のATSを改良して速度超過防止機能をつけたものを設置する方針だ。

 高見運転士が速度超過運転をした背景には、時間的にゆとりのない過密なダイヤ編成があるとみられている。同社は、安全確保の観点から乗務員が余裕を持って運転できるようにダイヤを見直す方針。私鉄との競争力ダウンにつながる可能性があるが、丸尾副本部長は「減便することも含め検討する」とした。

 事故を起こした高見運転士は運転士歴約11カ月だった。同社は若手の教育方法のあり方を見直すほか、運転士らにミスに対する必要以上の重圧を与えているとされる「日勤教育」と呼ばれる再教育システムも見直す。

 同社は事故直後、最高レベルの社員招集態勢を組んだが、招集対象外の一線の社員には今回の事故の情報が十分に伝わらず、200人を超える社員が事故後にボウリングやゴルフコンペに出かけた原因のひとつになった。同社は「情報の共有化ができていなかった」として、本社から支社、出先機関への情報伝達の流れも再検討する。

 国交省は事故後の先月28日、同社に対し、ATSの配置方法や運転士教育の内容など安全に関するすべてを見直し、5月末までに「安全性向上計画」を策定して報告するよう要求。同社は6日、事故概要をまとめた「鉄道運転事故等報告書」を同省近畿運輸局に提出していた。


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