兵庫県尼崎市のJR宝塚線の脱線事故で、JR西日本は26日午前の記者会見で、事故を起こした快速電車の高見隆二郎運転士(23)と松下正俊車掌(42)が、事故直前に同線伊丹駅で起こしたオーバーランの距離について、うその報告をするよう口裏合わせをしていた疑いがあることを明らかにした。同社によると、実際の距離は約40メートルとされるが、松下車掌は指令所に約8メートルと報告していたという。
同社のこれまでの発表では、快速電車は25日午前9時14分ごろ、伊丹駅に到着した際にオーバーラン。これについて、松下車掌が「8メートルほど停車位置を過ぎ、約1分半の遅れが出ている」と報告したとしていた。快速はこの遅れを取り戻すため、制限速度の範囲内でスピードを上げて事故現場付近を通過していたとみられている。
しかし、同社が同日夜に松下車掌から当時の状況を詳しく聴いたところ、「非常スイッチを握っていたが、約2両(約40メートル)行き過ぎて停止した」と説明をひるがえした。理由については、松下車掌は「高見運転士から『少し短くなるように』と言われた」と話し、虚偽の報告をしたことを認めたという。
快速の当時の速度については、「乗客の対応をしていたので速い遅いの感覚はなかった」と説明しているという。
高見運転士は昨年6月、学研都市線下狛駅(京都府)で約100メートルオーバーランし、訓告処分を受けた。同社によると、オーバーランをした場合は処分対象になることがあるが、距離の長さは処分内容に関係しない。しかし、同じミスを繰り返せば、処分が重くなることがあるという。
同社は「虚偽報告や事故隠蔽(いんぺい)は乗務員にあってはならないことで、大きな問題だ。なぜこんなことをしたのか不信を感じている」と話している。