午前0時5分ごろ、破損のひどい1両目の車両から西宮市に住む大下裕子さん(46)が救出された。車両は線路脇の9階建てマンションの1階駐車場に、「くの字」の状態でめりこんでいる。その奥から黄色いストレッチャーで運び出され、救急車に運び込まれた。
現場を訪れていた市村浩一郎衆院議員(兵庫6区)によると、レスキュー隊員数十人が見守るなか、数人の隊員が1両目の中に担架を差し込み、引き出した。その瞬間、「救出」という大きな声が響いた。
運び出された女性は白衣を着た男性らから数分間、応急措置を受けた。毛布が掛けられ、左手に点滴のチューブが装着され、右ひじから先の腕が動いていたという。
大下さんが運び込まれた兵庫医科大病院の丸川征四郎・救命救急センター長によると、大下さんは両足が何かに挟まったことによるクラッシュ症候群で、血圧は低下気味だという。丸川センター長は「長時間閉じこめられていたが、予想以上にいい状態。しかし、予断は許さない状況だ」と話した。
先頭車両内には、まだ18歳と19歳の男性の生存者が取り残されているとみられる。レスキュー隊員らの話では、車両はカステラの箱を押しつぶしたようにひしゃげており、車両の上には駐車場にあった乗用車が積み重なっている。救出活動は車両の上に重なった乗用車と車両の側面に穴を開けなければならないが、乗用車のガソリンなども流れ出しているため、火花がでる工作機類が使えない状態で難航。また、車両の屋根と床の間には、亡くなったとみられる10人ぐらいの乗客の体が折り重なっているという。