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《地殻変動:19》ネットで政治活動、まだ脇役

2009年8月15日

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写真盛岡市中心部の開運橋前で撮った階猛氏の「未来のためのQ&A」回答映像

 東京・六本木で9日開かれた衆院選東京1区の立候補予定者による公開討論会。議論が始まると、会場にいた自民前職、与謝野馨氏(70)の事務所スタッフが、携帯端末で次々とその様子をネット上に送っていった。

 ――公開討論会。ずいぶんプレスの方やカメラが多いです

 ――年金問題で論戦中です

 ――与謝野は、「支える側の人数をふやすため元気な高齢者の勤労を増やすべき」

 文章がアップされたのは、ネット上で運営されているツイッターの「与謝野スタッフ」サイト。1回140字分まで投稿できるミニブログだ。

 政策や主張はホームページに書いてある。リアルタイムで細かな行動を追うことで、与謝野氏を身近に感じてほしいと始めた。車中でつぶやく祖父母の短歌、庭の野菜に水をやる姿……。まるで「観察日記」だ。

 はじめて10日で、書き込みを追いかける「フォロー」をしている人が2500人を超えた。「正直、かなり印象変わった」といった投稿もある。

 ただし、公示日の18日以降は選挙運動には使えない。公職選挙法で、ホームページやメールと同様に禁じられているからだ。

 そうした壁に挑もうとしたのがビデオジャーナリストの神田敏晶さん(47)。「これから、参議院出馬を目指してスタートします!」。2年前、ツイッターにこう書き込んで、東京選挙区で参院選に立候補した。選挙でネットを使えるよう制度を変えるには、だれかが実践してみなければと考えた。

 ポスターの掲示場は1万4千カ所。知人に頼んでもわずかしか張れなかった。掲示板がもったいなく思えた。政見放送では「僕1人でも1500万円税金が費やされている。もっとインターネットで安くできる」と訴えた。1万1222票で落選したが、「ネットを使えば組織やお金のない人でも主張を伝えられ、当選できる可能性がうまれる。法律をつくる政治家の世代が変わればネット選挙は解禁される」。

 資金も知名度もなかったオバマ氏を米大統領にまで押し上げたのはネットの力が大きい。ブログで口コミのように支持が広がり、献金もネットを通じた少額のものが大半だ。

 日本での盛り上がりはどうか。グーグル日本法人がネット上で政治家への質問を募った「未来のためのQ&A」には6537人が参加。投票で「誰もが、安心、納得できる年金制度をどのような形で構築していきますか」など五つの質問が決まり、回答は動画投稿サイトのユーチューブで公開中だ。

 「いま私は盛岡の駅前、開運橋のたもとに来ています」。動画でそう話すのは岩手1区から立候補予定の民主前職、階猛(しな・たけし)氏(42)。前職の中では、最も早くアップされた。新聞広告で「Q&A」を知り、「五つの質問」を待っていた。地元・盛岡を少しでも全国にアピールしようと、事務所に近い北上川のほとりで撮影した。

 有権者と顔と顔を突き合わせて話すのが本来の政治活動だと思うが、最近は盛岡でもオートロックのマンションが増えてきた。ネットは、そうした人たちにメッセージを伝える手段と考えている。投稿した映像への反応はほとんどないが、「通常の活動の補完ですかね」と階氏は言う。

 「Q&A」に対しては、選挙区回りに追われる政治家たちの反応もいま一つだ。14日夜までに公開された回答動画は100件超。立候補予定者の1割程度で、前職はようやく20人を超えたところだ。15日に締め切られる。

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