与野党は8月18日の総選挙公示に向け、マニフェスト(政権公約)のとりまとめを急ピッチで進める。都議選惨敗後、混乱が続く自民党の調整作業が遅れているのに対し、民主党は骨格を固めるなど着々と準備している。
自民党の公約は、麻生首相側近の菅義偉選挙対策副委員長ら少人数が秘密裏に原案を練った「麻生マニフェスト」。早ければ週内に党内手続きを終え、月末までに首相自身が記者会見して発表したい考えだ。ただ、解散前に決められなかったため、多くの国会議員が蚊帳の外に置かれることになりそうだ。
来年度以降も引き続き経済対策を担当させてほしいと、「実績と継続」を訴える。「安心・安全社会の実現」と銘打って、少子高齢化対策や若者対策など幅広い社会保障制度の充実策も並べる。党内でもめた世襲制限は、次の次の総選挙から「同一選挙区で3親等以内の親族の立候補を認めない」とする。党内で抵抗の強い消費増税は、時期や引き上げ幅を明記せず、「景気回復後」とするにとどめる。
反麻生勢力の中には、党の公約とは別に独自のマニフェストを掲げて選挙戦を戦おうという動きもある。
公明党は党内論議をほぼ終えており、週内にも骨子を公表する。キャッチフレーズは「生活を守り抜く。政治は実行力」。生活者重視の政策として幼児教育の無償化や高額療養費制度の見直し、年金制度の拡充などを掲げる。
対する民主党の鳩山代表は21日の記者会見で、7月中にマニフェストを発表すると表明。特に訴えたい政策について、少子化問題、年金問題、地域主権などを挙げる。
主な柱は、天下り廃止・無駄遣い根絶▽子ども手当、高校無償化など教育支援▽年金・医療の立て直し▽地域主権など。「予算の総組み替え」で「官僚主導、業界依存の自民党政権」とは異なる税金の使い方の実現を訴える。
中学生までの月2万6千円の子ども手当の創設や、農家への所得補償、高速道路の無料化などは、国民に対する直接的な給付や負担軽減を通じて、格差是正や産業振興、経済活性化を図る狙いがある。
外交・安全保障政策は今回の選挙の焦点には位置づけておらず、マニフェストで全体像や各論を詳しく示すことはなさそうだ。
共産党は民主党政権を想定し、課題によって協力する「建設的野党」になると宣言。来月上旬にかけてマニフェストを詰める。後期高齢者医療制度の撤廃、労働者派遣法や障害者自立支援法の抜本改正などが盛り込まれそうだ。
社民党は「生活再建」を掲げるマニフェストの骨格を16日に発表。自衛隊の組織縮小や海外派遣のための恒久法制定反対など、外交・安全保障分野で独自色を強調する。
国民新党は近くマニフェストを発表する。柱は20兆円規模の大型経済対策と、結党の契機となった郵政民営化の見直し。新党日本は公共事業を見直し、社会保障や教育、環境に予算を振り向けるマニフェストを近く公表する。