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〈格差の現場:3〉医療 地域の医師不足深刻

2007年06月22日

 「若い人たちは会社に勤めていて足になってくれない。遠くの病院まで通えない人は多い」

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整形外科の閉鎖が取りざたされる下関市立済生会豊浦病院=下関市豊浦町小串で

 先月11日、下関市役所。4692人分の署名を携えた旧豊浦町の住民と公明党下関総支部が、市立済生会豊浦病院の整形外科の継続を江島潔市長に訴えた。

 豊浦病院は旧豊浦町で唯一の総合病院として地域医療を担ってきた。転倒による骨折やけがなどで整形外科を受診する高齢者が多く、整形外科は1日平均45人が通院し、40人が入院している。

 整形外科には医師が2人いたが、2人を派遣していた山口大医学部は3月、1人を引き揚げた。現在は残った1人が、同大が週2回派遣する非常勤医と診療を続けているが、残った1人もこの夏に退職するという。このため、整形外科の閉鎖や縮小が取りざたされるようになった。

 同じ下関市でも、中心部には総合病院が四つある。豊浦病院の整形外科が閉鎖された場合はそちらに通わざるを得なくなるが、20キロ近く離れている。車を持たない高齢者が通院するのはかなりの負担だ。

 「整形外科は地域のニーズが高い。あらゆる手段で募っている」。豊浦病院の中村重美事務長は力を込めるが、21日現在、後任者は決まっていない。

 公的な病院での医師不足はここ数年、全国的に顕著になってきた。

 これまで、新人医師は医学部卒業後、それぞれの大学医学部の診療科の医局に入り、研修を行うことが多かった。だが、04年度から臨床研修が義務づけられたのに伴い、新卒医師が研修先を自由に選べるようになったことから、大都市への医師集中が加速した。地方の大学病院は医師が不足し、地域に派遣する余力がなくなった。

 また、当直や呼び出しの多さ、激務に見合わない給料の低さなどから、勤務医から開業医に転じるケースも増えている。

 こうして、地域医療を担ってきた公的な病院から、医師がどんどんいなくなっている。

 勤務医不足の中で、特に深刻なのが小児科医と産婦人科医だ。県内でも不足している。厚生労働省の04年の調査では、人口10万人あたりの小児科医数は全国平均は11.5人だが、山口は11.3人。産婦人科医も全国平均は8.0人だが、県内には7.4人しかいない。

 このような状況の中で、国は拠点病院に医師を集める「集約化」を進めている。都道府県に実施の可否を求めており、山口県は小児科、産婦人科とも実施が必要と判断した。

 ある病院の幹部は「国は医師が都会や特定の科に偏在していると言うが、そもそも勤務医の数が足りない。病院が多い都会で集約するならまだしも、病院の距離が離れている地方で集約してどうするのか」と憤る。

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