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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> 2007参院選> 地方ニュース> 栃木> 記事 〈再チャレンジできますか?私の一票:5〉多重債務者2007年07月08日 パチンコの負けがこんで消費者金融に手を出した。1社、2社と借入先が増え「完済しては借り、借りては返済を繰り返した」。仕事に行き詰まり、収入も減り、子どもの学費は増える。次第に返済がおぼつかなくなり生活は悪化。支払いが滞ったまま返済日が過ぎると、取り立ての恐怖から夜遅くまで帰宅しない日もあった。
足利、佐野両市に隣接する群馬県桐生市。多重債務の経験者らが、同じ立場で苦しむ人の相談に応じる「桐生ひまわりの会」がある。栃木県内には同様の民間団体がなく、相談者の2〜3割は県内から。冒頭の体験談も県内男性のものだ。 多重債務を深刻化させる要因とされるのが「過払い利息」だ。消費者金融各社は、刑事罰のない利息制限法の上限(年率15〜20%)と、出資法の上限(同29.2%)の二重基準があるのにつけ込み、この間の「グレーゾーン金利」で貸し出し、高収益を上げてきた。 昨年最高裁はグレーゾーン金利を事実上無効とする判断を示した。判決をきっかけに、借り手の返還請求に応じる業者が増えた。国会でも昨年末に上限金利を引き下げる新たな法律が成立した。 ひまわりの会で相談を受ける手代木文枝さん(43)は「世間では多重債務者に対して『借りて返さないほうが悪い』と冷ややかにみられがちだが、過払い利息や過剰融資など貸手側の問題にようやく光が当たった」と評価する。 県くらし安全安心課は、県内に5社以上の消費者金融から借金する多重債務者が3万人以上いるとみる。県消費生活相談センターに寄せられる消費者金融がらみの相談は03年度から毎年1000件以上。昨年10月に設立された法律トラブルの相談窓口「法テラス栃木」への相談も3分の1が債務整理や自己破産だ。 宇都宮市の伊沢正之弁護士(58)は、日弁連で上限金利引き下げに尽力した。「与党が消費者金融業界の意をくんだ抵抗勢力を押し切って引き下げを決めたことは評価できる」。ただ、一方で「専門家にアクセスできれば助かるのに、そういうメッセージが必要な人に届いていない」ともどかしさも感じている。 手代木さんは多重債務と所得格差問題が、密接にかかわるとみている。「所得の差が広がる一方で税金は上がり、福祉は抑制される。せっかく借金は返せても、そこから人生を再チャレンジするのが難しくなってきている」 自民党が参院選の公約で「新たな多重債務者ゼロ」を目標に据えた。「格差」まで掘り下げた施策が出るのか。手代木さんら、ほぼ手弁当で債務者相談に取り組んできた人たちの目線は厳しい。 ◇ 〈政府の多重債務者対策〉 昨年末、上限金利を現行の年29.2%から3年後には20%に引き下げる貸金業法が施行され、貸手への規制が強化される。借り手への対策として政府は今年4月に多重債務問題改善プログラムを発表。全国すべての市区町村に多重債務者向け相談窓口の設置を要請した。窓口と連携した低利の貸し付け制度を検討していくことや、高校までにすべての生徒に多重債務問題を教えるなど金融経済教育の推進も盛り込んだ。県はこれらの実現に向け、年内に外部の専門家を交えた多重債務対策本部を立ち上げる。近く県庁内部で関係部署が集まり取り組むべき課題の精査を始める。 ![]() |
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