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「拉致忘れちゃ困る」 家族会、もどかしさ 総選挙

2005年09月03日

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街頭で候補者の応援演説をする横田滋さん=3日午前10時すぎ、札幌市白石区で

 郵政民営化論議や「新党」騒ぎなどで有権者の関心が高まる中、政治と密接にかかわってきた拉致問題が、かすみ気味だ。前回の衆院選では、ほとんどの候補者が関心を示し、拉致被害者の家族への応援演説依頼も相次いだ。2年たった今回、与野党とも演説などで取り上げようという候補者は限られている。「拉致が争点にならず、風化してしまうのではないか」。家族らは危機感を募らせている。

 拉致被害者の家族会代表、横田滋さん(72)は3日朝、総選挙の候補者の応援で訪れた札幌市内のスーパー前で訴えた。

 「いまだに北朝鮮は対話の窓口を閉ざし、拉致問題は終わったと主張している」

 「国政の場で拉致問題を努力してくれる人がいなければ、(不明者の)救出は難しい」とも語り、拉致問題が今回の選挙の争点の前面に出ないことへのやりきれなさもにじんだ。

 傍らには、早い時期から署名活動に協力してきた民主党前職も立った。「拉致問題解決には、北朝鮮に力を持っている中国の力が必要だ」と訴えた。

◇候補者「演説では触れず」

 家族会と支援団体の「救う会」は03年総選挙で、拉致問題について全候補者にアンケートを実施。当選者480人の85%が回答するほど関心が高かった。その後、国会で特定船舶入港禁止法が成立するなど、北朝鮮への経済制裁立法は実現した。だが、昨年7月に曽我ひとみさんの家族が帰国・来日して以降、問題は一向に進展していない。

 家族会などは問題解決の切り札として、経済制裁の早期実現を訴え、各党に対しマニフェスト(政権公約)に盛り込むよう求めた。だが、あいまいな表現が多く、家族会は「腰の引けた表現で失望した」としている。

 さらに家族会と救う会は経済制裁の早期発動の是非を問うため、今回も衆院選の全候補者にアンケートを実施。5日にも結果を公表する。

 一方、家族会などは超党派の「拉致議連」役員経験者ら7人程度を、メンバー個人の立場で応援する。うち2人は郵政民営化法案に反対票を投じ、自民党公認を得られないなど、厳しい環境にある。

 前回総選挙で、拉致議連は与野党で200人近くの大勢力に躍進した。だが、同議連メンバーの自民党前職は「今回は郵政民営化への是非だけを問う、分かりやすいテーマの選挙。遊説などで拉致について触れたことはまだない」と話す。

 横田さんは「拉致問題は日本の国家主権と被害者の人権が侵害された問題なのに、郵政民営化ばかりで埋没してしまいそうだ。国政の最優先課題なので、争点にしてほしい」と訴えている。


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