農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増加、安い農産物の輸入など、国内での農業問題は深刻さを増している。今回の総選挙にあたり、主要各党が掲げたマニフェスト(政権公約)から、農業政策について見てみた。
日本の食料自給率は40%で、先進国で最低レベル。そこで、各党とも食料自給率の向上を掲げているが、数値にばらつきがある。自民は45%達成▽民主は10年で50%、将来60%以上▽公明はカロリーベースで50%、金額で80%程度▽共産は早期に50%台を回復▽社民は当面50%、としている。
●攻めの農政強調―自民
自民は「攻め」の農政を強調。担い手育成による農業構造改革の推進として、品目横断的な経営所得安定対策を実施するとしている。また、食育や地産地消、食品産業との連携の推進、農林水産物の輸出を6000億円に倍増させることなどを目指すという。
●補助金漬け是正―民主
民主は、「日本刷新8つの約束」の6番目に農業政策を盛り込んだ。補助金漬け農政を見直し、原則としてすべての販売農家へ総額1兆円程度の直接支払いをすることが目玉だ。また、農地取得要件を緩和し、新規就農しやすい条件を作るとしている。
●食育の運動推進―公明
公明は、食育の取り組みを国民的な運動として推進することを盛り込んだ。また、予算を見直し、効率的な経営体などを対象に、品目横断的な直接支払制度を導入するとしている。女性の役割の明確化のため、家族経営協定の普及を図るとしている。
●食料主権回復を―共産
共産は、総額1兆円程度の価格・所得保障予算を確保する、とした。米「改革」を中止し、コストに見合う生産者の目標価格に近づけるとしている。また、世界貿易機関(WTO)農業交渉の中で、米を自由化の対象から外し、食料主権を回復させるとした。
●直接所得補償を―社民
社民は、食料の安定供給に向け、直接所得補償制度を創設。株式会社の農業参入には反対の立場だ。また、有機・減農薬農業を推進、遺伝子組み換え作物の輸入規制なども盛り込んだ。