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最大で最後の豪華祭典 ロンドン五輪は

2008年8月25日2時16分

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写真拡大郭金竜・北京市長(右)から引き継がれた五輪旗を振るロンドンのジョンソン市長。中央はロゲIOC会長=越田省吾撮影

 国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は24日、総括記者会見で言った。「選手村、競技会場、運営ともすばらしかった」。大会組織委員会への賛辞を並べた。

 04年アテネ大会とは、何もかもが違った。人口1千万人強の五輪発祥の国に里帰りした4年前は、会場建設が間に合うかが関心事だった。お粗末ではあるが、デモが日常茶飯事の民主主義国家らしい、おおらかさでもあった。

 共産党が13億人を束ねる中国は、国威発揚のチャンスととらえ、「史上最大」の豪華さにこだわった。ハード面の充実は予想されたことだった。

 人権弾圧、大気汚染など中国社会の負の側面への指摘がほとんどだった海外の報道も、開会式を境にスポーツのもたらす感動、興奮を伝える方向へシフトした。

 競泳で8冠のフェルプス(米)、リレーを含め陸上短距離3冠を世界新で飾ったボルト(ジャマイカ)の躍動に世界が沸いた。厳重な警備に守られ隔離された「五輪空間」では、「平和の祭典」は成功に終わった。

 五輪が民主化を促すきっかけになったかは疑わしい。「IOCや五輪は法治国家に変化を強制することはできない。ただ、スポーツを通じて前向きな貢献はできる」。ロゲ会長が総会で語ったことがIOCの見解だった。

 北京五輪は史上最多の204カ国・地域が参加した。

 五輪の未来はどうなるのか。ロゲ会長は「今回は中国という世界で最も人口の多い国で開くことに意義があった。12年ロンドン大会は近代スポーツを発明し、ルールやフェアプレーの精神を生んだ英国で開かれる。そうした価値を構築すべきだ」。ハード面の華美さではなく、スポーツが内包する精神面の豊かさに目を向ける。サマランチ前IOC会長が推し進めた肥大化にもくさびを打つ。次回は現行の28競技から野球とソフトボールが消え、参加選手の総数も絞り込む。

 ロンドン組織委のコー会長も呼応する。「我々は豪華さで北京と競うつもりはない。未来を担う子どもたちにスポーツのすばらしさを伝えたい。それを次世代への遺産にしたい」

 16年夏季五輪招致をめざす東京は、充実したインフラや運営能力に頼るのでは苦しい。「人々に夢と希望を与え、都市を躍動させる」。掲げた理念を浸透させられるかがカギになる。(稲垣康介)

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