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「参加でき幸せ」「格差の方が大切」 北京市民、光と影

2008年8月25日0時54分

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 「声と健康には自信があるからね。中国百年の夢に参加でき、これほどうれしいことはない」

 北京五輪の柔道会場で案内役ボランティアを務めた元オペラ歌手尚慕周さん(85)。若者の模範になろうと外に立ち、誘われても会場には入らなかった。「近頃の若者は甘やかされているから、きついボランティアはいい経験。メダルより、もっと大事なものを学んでくれたはずだ」

 「鳥の巣」の外でサックスや笛を吹き続けた殷妙芳さん(70)は「中国と五輪のために自分にもできることがあって幸せ」と振り返った。

 「五輪歓迎演奏会」と称して期間中、1人で野外演奏をしてきた。音楽を始めたのは60歳を過ぎてから。一度だけ「鳥の巣」に入り、陸上競技を観戦した。「どの国の人も自分の国のために一生懸命頑張っていた。中国も同じ」

 五輪の「成功」を喜べない人たちもいる。

 今年6月、地方に住む姉一家宅が悪質な開発業者に壊されるなどした北京市内の会社員男性(31)は、その窮状を訴えようと、期間中に公安当局が設けた公認デモの申請窓口に通った。

 公安当局が「デモになる前の相談でほとんどの案件が解決した」と説明しているのをテレビで見たからだ。だが、申請は受理されず、担当者は「調べる」といった、その結果の連絡はまだない。

 陳情と申請に追われ、何の競技も見ないまま五輪は終わった。9月6〜17日の北京パラリンピック中も公認デモの申請窓口が設けられるはずだ、と望みをつなぐ。

 「デモが1件もないまま終わり、関心を持つ海外メディアが帰ってしまう。政府が本当に声を聞いてくれるのか全く分からない」。男性の不安は消えない。

 9月下旬に司法試験を控える北京市内の男性(25)は「環境や地域格差などの問題の方が大切ではないか」と訴える。期間中は大学構内の自習室から閉め出された。

 01年の誘致決定時は地方の大学1年。卒業後、故郷に戻ると、植物が減り、赤トンボも見なくなった。無造作な開発が悲しかった。でも思いは打ち明けない。「中国で国を批判するには勇気がいる」

 厳しい規制をかいくぐり、ダフ屋行為で1万元(約16万円)稼いだというトラック運転手の男性(33)は「金もうけが一番。いい五輪だったよ」と笑った。「閉会式も関係ないよ。もうけを家に持って帰って、8歳の長男の学費にするんだ」。稼いだ額は給料の3カ月分にのぼった。

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