記者会見で自らの経験を話すタオミナ(米)=忠鉢写す
22日の近代5種女子に出る米国のシェイラ・タオミナ(39)は、女性では史上初めてとなる3競技目の五輪出場を果たす。トライアスロンのプロとして稼いだ賞金や持ち家2軒の売却益……。持てるものをすべて、競技に注ぎ込んできた。
96年アトランタ五輪の競泳女子800メートルリレーの金メダリスト。トライアスロンに転身して、00年シドニー五輪と04年アテネ五輪に出た。これで引退と決めていたが、もう一つ別の競技で五輪に出れば、女性では史上初だと周囲から教えられた。
05年2月、米・近代5種連盟に電話をかけた。射撃、フェンシング、水泳、馬術、ランニングを1人でこなす競技だ。五輪に出られるようになるには「普通は10年かかる」と言われた。しかし「週6回、4時間ずつ練習して、競技のことを一日中考える私は違う」と逆に奮い立った。
銃は触ったこともなかった。両手でフェンシングの剣を持ってしかられた。馬が立ったまま眠るのに驚いた。それでも06年のW杯で個人3位、07年には個人2位に入るまでに急成長した。
住まいは米コロラドスプリングズの五輪トレーニングセンター。世界を転戦する費用を工面するため、自宅を売ってしまったからだ。
初めての五輪のときはレース前日でもよく眠れた。でも今度は神経質になりそうだという。「失敗がつきものの競技。結果より過程に集中したい」と話す。(忠鉢信一)