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世界一になるために エース上野、1日で318球

2008年8月20日23時15分

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写真拡大豪州との3位決定戦で延長12回にサヨナラ勝ちし、完投した上野(中央)の周りに集まって喜ぶ日本の選手たち=越田省吾撮影

(20日、ソフトボール3位決定戦 日本4―3豪州)

 延長は12回に突入していた。照明に浮き上がる豊台ソフトボール場で、上野由岐子(26)は味方を信じて投げ続けた。

 勝てば21日の決勝進出、負ければ銅メダルが確定する。午後5時に始まった豪州との試合。午前中の米国戦で延長9回、147球を投げきった上野は再び先発した。

 「米国戦が終わった後、監督に言われた。行けと言われれば、いつでも行ける自信があった」

 直球は最速で119キロ。世界一のスピードを誇る。日本が誇る絶対的なエースだ。

 表情にはさすがに、疲労の色がにじんだ。だが粘りの投球を続けた。

 7回2死。あと1人抑えれば勝利が手に入った。まさかの同点本塁打を浴びる。さすがに肩を落とした。

 「世界一になるために、世界一の練習を積んできた」

 腹筋500回、背筋300回が日課だ。遠征先のホテルでは、ドアにゴムチューブをつけて腕を鍛えあげた。「人が20分走れば、自分は30分」。それが世界一への道だと信じてきた。

 11回に勝ち越された。

 その裏、味方が追いついてくれた。

 12回。2番西山の右中間への安打でサヨナラ勝ちが決まった。

 「みんなに願うしかなかった。(点を)取られても取られても、取り返してくれて感謝しています」

 今度は171球を投げた。右肩にバスタオルを当てた上野は、チームメートみんなと抱き合った。真夏の日差しがさし込む朝9時半に米国戦の1球目を投じてから、11時間が経過していた。

 銀メダル以上が決まった。21日の決勝で、再び米国と対戦する。

 「米国を倒して世界一のピッチャーになりたい」。体は疲れ切っている。それでもあと一歩で夢に手が届く。

 決勝は午後6時30分から。「初めての舞台。決勝で投げられる喜びを表現したい」

 おそらくまた、先発する。(平井隆介)

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