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35歳で五輪初出場、そして陸上女子の主将を務める女性がいる。20年来、中距離や駅伝で陸上女子を引っ張ってきた早狩実紀=京都光華AC。五輪新種目の3000メートル障害で15日夜、開会式が繰り広げられた国家体育場(愛称・鳥の巣)のトラックに立つ。
中学校のとき、部員の少ない陸上部の試合要員として駆り出されたのが陸上を始めたきっかけだった。もともとはバスケットボール部に入っていた。この新種目との出会いも偶然。3年前に雑誌で世界選手権の新種目になると知り、「自分がやったら、どこまでできるんやろ」と考えた。4カ月後、14年ぶりに世界選手権に出た。
ハードルを28回、ハードルの先に水たまりのある水濠(すいごう)を7回、計35個の障害を跳び越える過酷な競技だ。早狩は07年夏、大阪であった世界選手権で足をかけて転倒して気を失った。「跳ぶのはいつも怖いです」と正直だ。
専属コーチはいない。「レースや練習の中で、自分と会話しながら、改良を重ねている」という。体の重心の置き方をどうするか、どんな体の補強が有効か……。35歳の早狩が「まだまだ初心者」と言う新競技。「世界のレベル自体が発展途上。自分が『もっとできるやろ』と思いながら続けられる競技と出会えたのは幸せ」と話す。
ただ、新競技と出会えたのも継続あってこそだ。早狩自身は「やめる理由がないから」とそっけないが、同志社大学で指導した西村彰さん(59)は「練習熱心でありながら、自分の体を知り尽くしていて、決して燃え尽きないのが彼女の強さ」と語る。
同大では、短距離の朝原宣治選手と同級生だった。ベテランには、初の五輪にも大きな気負いはない。「まずは予選突破。自分自身も、見ている人も『いい走りだな』と思えるレースがしたい」(池田孝昭)