初優勝を目指す棟田
柔道日本一を決める29日の全日本選手権(東京・日本武道館、朝日新聞社後援)で、棟田康幸(警視庁)が初優勝を目指す。「一試合、一試合、全力で戦う」。悲願を果たせば、北京五輪100キロ超級代表の座が確実だ。
世界選手権は03年100キロ超級と昨年の無差別級を制した。2月のドイツ国際では100キロ超級世界王者のリネール(仏)を圧倒し、優勝している。
今月16日にはフランスのスポーツ紙レキップが取材に訪れた。インタビューする日本の柔道選手は棟田だけだと言う。同紙の記者は「リネールに勝てるのは棟田しかいない」と話す。
外国選手に対する強さは折り紙付きだ。それなのに、全日本選手権は9年連続で出場していながら、優勝に届かない。「全日本は強い選手しか出ていない。世界よりも日本で勝つ方が難しい」と棟田は言う。
海外での試合は相手がなかなか組ませてくれないが「柔道着を持ちさえすれば、投げられる」。ところが、日本では「持っても強い選手が多い」。相手の上をいく組み手の厳しさがないと、勝つのは難しい。
6日の全日本選抜体重別では、準決勝で井上康生(綜合警備保障)に敗れた。「自分が弱かっただけ。相手よりいいところを持てなかった。攻めが遅いと痛感した」と反省する。
北京五輪のことは「本当に、全く考えていない」。一番戦いたい相手は前年優勝の鈴木桂治(平成管財)だという。「勝ち負け以上に、あいつは強いから楽しい」。対戦するには、02年以来の決勝まで勝ち進むしかない。(柴田真宏)