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北京五輪が8日に開幕する。1年にわたってその時々の思いを寄せてくれた選手たちに、最後の意気込みを聞いた。
○3連覇へ直感信じる 谷亮子
気持ちが引き締まり、すごく充実しています。
本番に向けて海外選手の対策を立てることは、もちろん大事です。でも、それ以上に自分の柔道を貫くことに重点を置いています。自身の能力を最大限に発揮したいと思います。
いよいよ試合に臨むわけですが、そこで必ず行う「儀式」があります。それは、畳に上がる直前に背中をたたいてもらうことです。
昨年の世界選手権では、全日本女子チームの園田隆二コーチに「ポンとたたいてください」ってお願いしました。始めたのは00年シドニー五輪のころからかな。
回数は1回のときも、3回のときも、5回のときもあります。「もうちょっと強く」とか「もっと速く」とか、リクエストは多いですよ。要求がいろいろあるので、コーチの先生の方が緊張するみたい。
この「儀式」には、背中を押してもらって前に進むイメージがあるんです。
いったん試合に入ると、あとは直感です。考えることはあまりありません。試合中には、審判の位置も応援している人も全部見えています。だれが何を言っているかもすべて聞こえているし、畳の感触も、試合場の香りも全部分かります。冷静だと思う。落ち着きすぎているのもいけないので、充実して立っているという感じでしょうか。
北京の畳の上でも、きっと充実して立っているでしょう。そして3連覇を目指して一戦一戦頑張って、応援してくださる多くのみなさんの期待に応えたいと思います。
○進化した姿見せたい 北島康介
五輪では勝ちにいくレースをします。でも100メートルはいいタイムを出さないと勝つのは難しい。目標にしてきた58秒台(世界記録はハンセン=米=の59秒13)を狙います。200メートルは2分6秒台(世界記録は北島の2分7秒51)を出してみたい。そういうつもりで練習してきました。
4年前のアテネ五輪とは僕も違います。進化しているのは、競技成績が表していると思います。水泳のレベルが高くなっている中で、僕も新しいことにチャレンジしてきました。自分の体を作り直してくれたトレーナーさんたちのおかげです。
肉体だけでなく、精神的にも成長できたと思っています。社会人になって、いろいろなことを勉強できました。周りのスタッフが協力してくれたからです。
でも本当に進化した姿は、五輪で見せたいと思っています。4年に1回の舞台ですから。
7月24日には東京・ナショナルトレーニングセンターで、6人の小学生に壮行会を開いてもらいました。僕が五輪後に一日教師として訪れる小学校の子供たちです。テレビで五輪を見てくれると思うので、夢を持ってもらえる泳ぎをしたいですね。勝負の世界を肌で感じてもらい、水泳だけでなく、他のスポーツでもいいから興味を持ってもらえると、うれしいです。
五輪会場はいいプールだと思います。平井伯昌コーチも僕も目的は一緒。この五輪を集大成の場としてやってきました。かけてきた年月は長いので、いいものを2人で出し切れるようにしたいと思っています。
○初メダルへ弱気なし 福原愛
2度目の五輪が迫ってきました。日本選手団の旗手を務めるので、4年前とは違う責任感があります。
今回はシングルスと団体戦があり、13日に団体戦からスタートします。まずはここで日本卓球界初のメダルを獲得できるよう集中したい。それが近藤欽司監督をはじめ、チーム全員の目標です。
日本女子チームは団結力なら負けない。1人で練習していると、うまくいかなくて落ち込んだり、孤独感を味わったりすることもあります。それが合宿だと頑張り屋の(平野)早矢香ちゃんや、(福岡)春菜ちゃんが隣で練習している姿を見て励まされる。5歳上の春菜ちゃん、4歳上の早矢香ちゃんとは小さいときから大会で対戦したり、練習場で一緒だったりと顔なじみ。気心の知れた3人で戦えるのは、幸せです。
私自身は、アテネ五輪以降の経験を生かしたいと思っています。ここ数カ月間、戦術面での成長を実感しています。状況に応じてどのコースを狙うか、どんなショットを打つかを論理的に考えるよう心がけています。以前は長年の勘に頼っていたと、コーチに助言されたからです。例えるなら、冷蔵庫に具材はあるけど、調理の仕方を知らなかったという感じでしょうか。
メダル争いを考えれば、中国はもちろん強い。シンガポールや香港など、他の国や地域にも中国出身の人がたくさんいます。ただ、私には中国の超級リーグの経験がある。中国選手だから勝てない、という弱気な気持ちはありません。
五輪を終えて、皆さんがびっくりするぐらいの良い成績で帰ってきたい。その気持ちが私の心の支えです。
○レース迫りわくわく 野口みずき
先月上旬から合宿を組んだスイスのサンモリッツは、脚づくりにはとっておきの場所です。アップダウンも含め走るコースがいっぱいあるし、空気も景色もいい。
最初は雨も多く、風も強かったのですが、その後天候は回復。私もずいぶん日焼けしました。2週間前の30キロの練習の後、ちょっと腰に張りが出ました。調子は「コスィ、コスィ」ってとこですか。イタリア語で「まあまあ」の意味です。
練習の合間には標高3千メートルまでロープウエーで登るなどリラックスに努めています。以前からこちらでお世話になっているイタリア人のオッタビオが先日、私の誕生会を開いてくれました。いつもホテルの私の部屋に冷蔵庫をつけてくれるなどよくしてくれる恩人です。
レースが17日に迫ってきました。わくわくしてきました。作戦とかを考えるのはもうちょっと先でしょうか。今は食事などに細心の注意を払って生活しています。
金メダルを獲得したアテネ五輪から4年。本当に早かった。アテネの後、次の北京までは長いかなと思いましたが、常に「記録を狙う」といった目標を掲げられたので早く感じるのでしょう。
4年前と比べると余裕を持って練習に取り組めています。もちろんたまに精神的にきつくなってうまくいかない時もありますが、そんな時は思いっきり泣いて、一晩寝たらけろっとしているのが私です。
五輪という舞台に再び立てるのはうれしいですし、本番でもしっかり自分のレースができるようにがんばりたいと思います。
○なりふり構わず勝つ 小椋久美子・潮田玲子
小椋 五輪を目前にして、勝ちに飢えています。腰のけがから復帰した後の6月のインドネシア・オープンで一つも勝てなくて、7月の全日本実業団選手権でも優勝できなくて。「北京で納得するプレーができればいい」と言っていたけど、もうかっこいいことを言うのはやめます。どれだけいい試合をやっても負けたら意味がない。納得しない試合でも勝ったらいい。
潮田 私もそう。泥臭くてもいいから勝ちたい。きれいなバドミントンをしようとかそういうんじゃなくて。めちゃめちゃにラケットを振ってもいい。勝てれば。
小椋 安心感をもてるように、いいときの試合のビデオを見て、不安を打ち消すこともあります。最近、一番足りなかったのは勢いだったり、向かっていく気持ちだったりじゃないかと思う。守っているのが自分でわかる。うまくいかないから、焦っている。
潮田 私は実業団で負けた後、メンタルの本を読み始めました。やっぱり自信がないというのがあって。このままだとダメだと思うし、自分のなかで何か変わるものがないといけないと思う。
小椋 北京には、お姉ちゃんやみんなからもらったお守りやキーホルダーをキャリーバッグにつけていきます。20個ぐらいになるけど、みんなの思いがありがたくて。
潮田 帰国の時に、空港でおめでとうと言われて迎えられたい。メダリストが帰ってくると、何百人という人が出迎えてくれますよね。あれってかっこいい。自分たちができたら最高です。