遼寧省・瀋陽郊外にあるサッカースタジアム=樫山晃生撮影。金網で囲まれ、普段はひっそりとしている
■瀋陽
北京五輪のサッカー会場の一つとなる遼寧省瀋陽市の「瀋陽オリンピック体育センター」の競技場が同市郊外に完成したのは昨年7月。こけら落としの国際試合がその翌月にあった後は使用されず、ひのき舞台となる日をじっと待っている。
唯一の例外は昨年10月に開かれた「日中青少年友好駅伝」。日本政府の働きかけを受け、ゴール会場として異例の使用許可が出た。
瀋陽は「満州国」時代に奉天と呼ばれた街だ。日本との歴史問題で厳しい姿勢を示す人々がいる半面、日本人に親近感を抱き、強い関心を持つ人も少なくない。
日本総領事館によると、在留邦人は約600人、日系企業は約90社。経済発展では北京や上海に大きく差をつけられており、地元当局者は「発展には日本との関係が不可欠だ」と交流拡大に期待を示す。
7月に予定される瀋陽での聖火リレーには、日系企業総経理の石野延広さん(58)が走者に選ばれた。「中国人従業員たちの励みにもなる」
五輪本番では日本対オランダの試合会場(8月13日)になることも決まった。
瀋陽の人々はその日、どんな表情を日本に見せてくれるだろうか。(古谷浩一)