巨大な北京首都国際空港の第3ターミナル。巨大な竜のモニュメントが飾られている(北京、林敏行撮影)
■北京
エントランスに足を踏み入れると、天井にプラネタリウムのように光がちりばめられ、幻想的な雰囲気に包まれる。
3月末に本格供用が始まった北京首都国際空港の第3ターミナルを出張で利用した。五輪関連工事の目玉で、総面積は98.6万平方メートル。東京ドームの21個分だ。単独ターミナルとしては世界最大で、英BBCは「一つの小さな国」と表現した。
「何かお困りですか」と笑顔がすてきな女性から声をかけられた。「サービス大使」が道案内や車いすの手助けをしてくれる。日本語の案内図や説明書も完備だ。
しかし、手荷物検査所にたどり着くと華やかさは一変した。30分以上待たされ、検査官がかばんの中から目薬や整髪料を取り出し、ふたを開けてにおいをかぐ。3月にウイグル族の女がガソリンを持ち込んで爆破しようとした事件が起きて以来、警備が強化された。
搭乗口まで早足でも20分かかり、2人の中国人から道を尋ねられた。期間中、600万人の観光客が訪れる五輪本番にはどうなってしまうのだろう、と心配になる。
厳戒態勢を敷き、客の利便性を犠牲にしてでも規模や華やかさで威信を誇示したい。世界一のターミナルは、五輪の縮図に見えた。(峯村健司)