柔道女子の管理栄養士
なら・のりこ 68年生まれ、神奈川県出身。大妻女子大家政学部を卒業して管理栄養士の資格を取得。90年に明治製菓に入社、現在は柔道のほかプロ野球選手や競馬の騎手らの栄養指導にもあたる。今年からはサッカー・Jリーグ1部の浦和も担当している。
柔道の全日本女子を担当して15年。96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネ五輪と3大会連続でかかわってきた。「92年バルセロナ五輪で銀メダルだった谷(亮子)さんに次ぐ長さになってしまいました」
明治製菓に勤める管理栄養士として、アスリートの食事指導や体調管理に携わる。93年に初めて柔道を担当したとき、選手が栄養に関する知識を持ち合わせていないことに驚いた。顔色を悪くしながらパン1個の食事で減量する選手がいた。「問題は山積み。何とかしなきゃと考えた」
食事のメニューを一人一人聞き出し、栄養価をグラフにして説明した。セミナーを開いて栄養教育を浸透させた。「食事面のケアによって、動きもスタミナも違うということを体感してもらうのが面白い」と話す。
合宿や遠征に付き添うことも多く、選手たちと同部屋で寝食を共にしたこともある。「重圧と戦う気持ちや体の変化が分かるようになった」。いまは良きお姉さん役だ。
五輪では、選手のために現地で日本食を作ってきた。荷物に、みそやしょうゆ、餅やうどんを詰め込んでいく。「肩がちぎれるほど重いけど、試合前は慣れたものを食べてもらいたい」と思う。
谷が出産した約2カ月後の06年3月に、長女を産んだ。授乳が体に大きな負担をかけることを実感しているだけに「谷さんのことは本当に心配だった。練習後にヨーグルトを食べた方がいいと助言しました」。
北京五輪では食の安全が心配されている。「レトルト食品やサプリメントが必要不可欠。念入りに準備していかないといけません」(柴田真宏)