競泳・北島のトレーニングコーチ
たむら・なおゆき 65年生まれ、東京都出身。東海大時代に始めたボディービルは20歳代後半まで続けた。現在は国立スポーツ科学センターで非常勤のトレーニング指導員。ヨットやウインドサーフィンなどの選手も指導する。
アテネ五輪競泳男子平泳ぎ2冠、北島康介(日本コカ・コーラ)の肉体改造に取り組んで7年目になる。平井伯昌コーチとともに日本競泳界に本格的な筋力トレーニングをもたらした挑戦は、北京五輪で集大成を迎える。
アテネ五輪前のメニューとは違う。かつてはひたすら筋力アップを図った。今は「技術との融合」がテーマだ。水中練習に時間をかけるため、週3回のウエートトレを1〜2回に。それでもプールサイドでできる自分の体重を使ったトレーニングで、筋肉のパワーや動きの速さを上げてきた。
複数の筋肉が協調して動くトレーニングをすることで、水中での動きが滑らかになることを目指した。肩甲骨の間の筋肉など見過ごされがちな筋肉も鍛え、故障に悩んでいた北島に強靱(きょうじん)な体をもたらした。
東海大時代にウエートトレのおもしろさを知り、ボディービルの道に。本来はエンジニア。最初に就職した会社では激務とトレーニングを両立するあまり倒れた。自分が競技会に出ることから、やがて人を指導するようになった。
3年前から富士通アメリカンフットボール部のトレーニングコーチを務めていたが、2月にやめた。北島に費やす時間を増やすためだ。収入は半分以下となった。それで家のローンを払い妻と2人の子供を養うが、「貯金を食いつぶすのが半年なら何とかなる。この仕事につくのが夢だった」と五輪に集中する。
「康介は世界選手権でも五輪でも、ベストコンディションで出場したことがない。攻めの姿勢でトレーニングをしながら、北京にピタリと体調を合わせていきたい」(由利英明)
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活躍する選手を陰で支える人がいる。そんな裏方さんを紹介する。