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日中の架け橋

四世紀半の交流集大成 竹内伸也さん

2007年11月26日

 20年以上前に江蘇省で指導を始めた時、選手が履いていたのは日本の終戦直後のような質の悪いゴム靴だった。「これでマラソンなんて」と頭をかかえた。

 国際大会で教え子が好成績を挙げると、関係者からは「どんな薬を使っているんだ」と連日の質問。中国女子マラソン代表顧問の竹内伸也さんは、当初、環境と意識の違いにとまどった。

 今は中国選手の力強さに可能性を感じる。五輪優勝を「最後の仕事としてやり遂げたい」。四半世紀以上に及ぶ交流の集大成と考えている。

 きっかけは88年五輪開催を目指した名古屋の招致活動だった。愛知県側が「開催には中国の支持が必要」とし、友好関係にあった江蘇省との陸上大会を計画。交渉したのが、当時愛知の大学で教えていた竹内さんだった。かつて110メートル障害の選手で、東京五輪のときからトップ選手を指導していた。

 五輪招致は実らなかったが、陸上大会は82年から両国で開催された。ここで竹内さんの指導力に目をつけた中国側が依頼。夏休みなど長期休暇を使った指導が始まった。

 歩き方を指導するという基礎からのスタートだったが、選手たちは3カ月で自己記録を更新して周囲を驚かす。86年からは有望選手を日本に呼び寄せた。88年ソウル五輪5位の趙友鳳さん(42)は「自分の子供のように接してくれた。なぜこういう練習をするかという理論的な指導だった」。

 昨夏から再び中国に招かれ、エース周春秀らを指導。今夏の世界選手権でレースプランを与えた周は2位に入って五輪代表に内定した。「腹筋、背筋が強く驚くほどよく食べる」。野口みずきや高橋尚子ら五輪女王と共通するたくましさに、期待している。

=おわり

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 たけうち・しんや 31年12月13日生まれ。愛知教育大名誉教授、名桜大(沖縄県)人間健康学部教授。UFJ銀行では監督として大南博美、敬美(現トヨタ車体)らを指導した。今年9月に、北京五輪の中国マラソン女子代表顧問に就任。

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