現在位置:asahi.com>北京五輪への道>コラム> 北京ロード > 記事 ![]() 「6分台V」強気の初陣 サムエル・ワンジル2007年11月30日 サムの初マラソンはどうなるか――。近ごろ、トヨタ自動車九州の仲間が顔を合わせると、そんな話題で持ちきりだ。
「すごいことをやってくれそうで楽しみ」と話すのは、順大時代に箱根駅伝の「山の神」で鳴らした今井正人。「自分もマラソンで世界を目指せば、サムと戦うことになる。彼の初挑戦を勉強させてもらう」という。 こうまで周囲の興味をそそるのは、今季、ハーフマラソンで世界記録を連発し、確かな力量を感じさせているからだ。 2月、アラブ首長国連邦の大会で58分53秒を出し、昨年の福岡を制したゲブレシラシエ(エチオピア)の記録を破った。3月にはオランダで58分33秒に縮めた。「去年はけがで休んだから今年は体がよく動く」と本人は涼しい顔をしている。 そもそも、トヨタ自動車九州入りを志願したのは「マラソンをやりたかったから」。15歳で仙台育英高に留学する前から、母国ケニアの陸上専門誌でバルセロナ五輪銀メダリストの森下監督を知っていた。入社3年目。「体ができてきた」と、やっと監督からマラソン出場を許可された。 北京五輪はマラソンで狙う。ケニア代表選考会は来年4月のロンドン。「ぶっつけ本番より、その前に一本走りたい」というのが福岡参戦の狙いだが、「2時間6分台で優勝する」と威勢がいい。森下監督が「マラソンはハーフの倍という単純なものじゃない。32キロまで我慢だ」とクギを刺すほどだ。 福岡から始まるマラソン人生の先には夢がある。母国の先輩で帰国すれば共に練習するテルガトが9月30日、ゲブレシラシエに世界記録を譲った。かつてケニア勢が目立った長距離種目の世界記録リストは目下、エチオピアの天下。ケニアはワンジルのハーフマラソンだけがポツンと残る。 「マラソンはケニアがきっとすぐ取り返す」。それは自分が、とでも言いたげにニンマリした。 PR情報 |
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