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| 記者会見で涙ぐむ雅子さま=2日、東京・元赤坂の東宮御所で(代表撮影) |
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| ときおり涙ぐんで言葉に詰まる雅子さまに、皇太子さまが手を差し伸べる場面も=2日、東京・元赤坂の東宮御所で(宮内庁提供) |
皇太子ご夫妻の記者会見での、宮内記者会とのやりとりは以下の通り。
質問:両殿下にお尋ねします。妃殿下が懐妊されてからご入院、ご出産までの間でうれしかったこと、辛かったこと、驚いたことなどをエピソードを交えながらお聞かせください。また、ご懐妊を知った時、無事に敬宮(としのみや)さまを出産された時の妃殿下の率直なお気持ちをお聞かせください。妃殿下が懐妊されてからご入院、ご出産までの間、様々な期待に対して両殿下はプレッシャーなどを感じられたことはありましたでしょうか。
【皇太子さま】
まず初めに、子どもの誕生にあたって、多くの方々から温かく祝っていただいたことに対して心からお礼を申し上げたいと思います。また、子どもを連れて来てくれたコウノトリにも併せて感謝をしたいと思います。
懐妊と知った時には、率直に言って、とてもうれしく思いました。無事に健康な子どもが生まれることを心から願いました。併せて妊娠期間も10カ月と長いため、雅子もいろいろ大変だと思いました。
懐妊後は健診の度に、初めは点のようだった胎児が徐々に成長する様子を目の当たりにすることができて、生命の不思議さ、神秘性というものを感じました。雅子は8カ月ぐらいまでは、おなかも、それほど目立たなかったのですけれども、8カ月を過ぎて、急に大きくなった感じがしまして、また、そういったこと、そして、また胎児がおなかの中でける動作が外にも伝わってくることに、驚きを感じました。
プレッシャーについては、懐妊前の方が大きかったと思います。懐妊後は無事に子どもが生まれてくることと、雅子の体調が良いことを願っておりましたので、プレッシャーはさほど感じませんでした。
最後になりますけれども、地球上に人類が誕生してからこのかた、絶えることもなく受け継がれている、この命の営みの流れの中に、今、わたくしたちが入ったということ、そういうことに新たな感動を覚えました。
【雅子さま】
わたくしからも、まず初めに、大変多くの方々から今回祝福していただいたことに対して、心からお礼を申し上げたいと思います。
懐妊の発表以来、出産に至るまで、国民の皆さんから温かい祝福の気持ちで見守っていただいたことは、初めての出産を迎えるにあたりまして、わたくしにとって本当に大きな励ましとなりましたし、また、子どもの誕生後は、本当にたくさんの方々からお祝いをいただいて、これほど子どもが祝福していただいているということを、親として、とても心からうれしく、またありがたく存じました。
懐妊中は、子どもの誕生を楽しみに思うと同時に、初めてのことでもありましたので、無事に出産できるまではと、色々と不安に思うこともありましたけれども、医師の先生方をはじめ、たくさんの周りの人々に支えられて、順調に10カ月を過ごすことができ、そして無事に子どもが誕生したことを、心からありがたく思っています。
懐妊中は、未知のことの連続でございましたけれども、実際に子どもが生まれてみますと、おなかにいた時、ああこの子があのころこんな風に動いていたんだな、とか、そういったひとつひとつの過程が、とても大切に、また懐かしく、楽しく思い出されます。
そして、出産といいいますか、子どもの誕生というものは、本当に大きな感動に満ちたものだったと言えると思います。
無事に出産できました時には、ほっといたしますと同時に、初めてわたくしの胸元に連れて来られる、生まれたての子どもの姿を見て、本当に生まれてきてありがとうという気持ちでいっぱいになりました。(声をつまらせ)今でも…その光景は、はっきりと目に焼き付いています。生命の誕生…(皇太子さまが、雅子さまの背に左手を当てて、励ますように顔を向けた)…が初めておなかの中に、小さな生命が宿って、はぐくまれて、そして時が満ちると、持てるだけの力をもって、誕生してくる。
そして外の世界での営みを始めるということは、何て神秘的で素晴らしいことなのかということを実感いたしました。また、生まれたての子どもの生きる力というものを目の当たりにいたしまして、子どもっていうのは、変な言い方ですけれども、本当に、生きるために、そして親に愛されるべくして生まれてくるんだということを、強く感じました。
この懐妊の期間、そして出産に至るまで、皇太子殿下には、過程をすべて共有してくださって、近くでわたくしを励まし、そして支え続けてくださったことに心から感謝申し上げております。
また、天皇、皇后両陛下からも、懐妊の期間、そして誕生後これまでずっと、本当にお細やかにお優しいお心遣いをいただいておりまして、このことに言葉では言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいでございます。
質問:高松宮妃喜久子さまが月刊誌の寄稿で、お子さまについて「雅子さまは私の望みにもきっと再びお応えくださるだろうと思います」「好ましい出産の順序として、俗に『一姫二太郎』とも申します」と書かれましたが、手記を読まれて両殿下はどのような感想をお持ちですか。また、将来はご自分の体験を踏まえ、敬宮さまにもご兄弟、姉妹がいらっしゃった方がよいとお考えでしょうか。
【皇太子さま】
高松宮妃殿下のお心遣いに心から感謝いたします。ま、今は子どもも生まれて間もないものですから、子育てに専念して、今後のことは、これから考えていきたいと思っております。
【雅子さま】
高松宮妃殿下には、今回子どもの誕生にあたりまして、あのようにお心のこもったお祝いの文章をお書き下さり、また素晴らしいお歌をお詠みくださいましたことを、心からありがたく存じております。妃殿下には、これまでも優しく色々と心にかけてくださってましたので、今回子どもの誕生をお喜びいただいていることを、大変うれしく、ありがたく存じています。
質問:両殿下にお尋ねします。敬宮さまを日々のふれ合いの中で何と呼んでいらっしゃいますか。成長ぶりを示すエピソードや印象に残る出来事、子育てをしている中でうれしく思ったり、反対に苦労されていることがあればお聞かせください。殿下は先月のご会見で「父親としてできるだけ子育てに関わっていきたい」と話されました。これまで皇室にない新しいスタイルだと思いますが、お考えをもう少し詳しくお話しいただけないでしょうか。
【皇太子さま】 愛子の名前を元に、様々なバリエーションがあるということは、この前の2月の誕生日の会見の折に、申し上げましたけれども、ま、一例を挙げれば、愛ちゃんです。子どもは、その時々によって、表情が変わりますので、何となく、その時々によって、呼び方も変わってしまいます。
愛子も体も大きくなってきまして、また体の動きも出てきましたし、それから発語の回数も増えて、また物を目で追う追視もよく見られるようになってきました。最近では、離乳食の準備のために、麦茶であるとか、それから野菜スープ、それからリンゴや、それからミカンの果汁などを飲むようになって、成長の様子がみられ、とってもうれしく思っています。
親であれば、だれでもそうだと思いますけれども、子どもと顔を会わせた時に、にこって笑ってくれる時が、最もうれしい時ではないかと思います。
わたくしたちは、今まで様々なことを協力しあってやって参りました。子育ても協力して色々とやっていきたいと思っています。子育てにかかわることによって、子どもとの一体感を感じますし、また、夫婦の一体感も感じます。子育てには、父親の役割も、とても大切なのではないかと思います。わたくしも、成長の過程で、父の陛下から多くのことを学びました。
【雅子さま】
子どもが誕生しまして、4カ月になりますけれども、子どもの成長というのは、本当に早いものだな、というのが実感でございます。体もだんだんと大きくなって参りますし、また色々のことも日々少しずつではありますけれども、気が付いてみると、新しく、ああ、こんなこともできるようになっていたんだということで、本当に日々発見の連続という感じでございます。
最近では、自分の手を使って自分なりの色々な遊びを楽しんでいる姿がよく見られます。また、このごろはぬいぐるみやお人形さんなど見せますと、たいへん興味をもって、じっと見つめて、にこっと、そのお人形やぬいぐるみを見て笑ったり、それから手を伸ばして触ってみたり、また小さいものでしたら、それを手でつかんで口に持っていったりというようなこともいたします。
また、普段わたくしは、よく首にスカーフを巻いているんですけれども、このスカーフに大変興味を持ちまして、そのスカーフをつかんで左右に振ったり、いろいろ引っ張ったりして、それをほどいてとってしまうこともございます。
また、両親であるわたくしたちや、それから、ふだん育児を手伝ってくれている職員、そういった人たちのことも、よく認識していて、そういう人の顔を見ると、うれしそうに笑ったり、また声をかけると笑ったりということで、ひとつひとつ成長していっている姿を見られて、とてもうれしく思います。
本当に殿下がお誕生日の会見でおっしゃいましたけれども、子どもっていうのは本当に可愛いものだなというふうに思います。
子育てについては、幸い職員の手助けもありまして、楽しく育児ができているということを、本当に幸せなことと、ありがたく思っています。
大変だなと思うことは、やはり公務ですとか、それに関連した色々な用事で、育児との間で時間のやりくりをどうしたらいいかというようなことを感じることはあります。この点については、これまでも皇后さまはじめ先輩の妃殿下方みなさまが、それぞれご苦労なさりながら工夫をしていらしたことだと思いますので、これから色々と教えていただきながら、子育てをしていかれたらといふうに思います。
また、皇太子さまは大変、育児に、わたくしを助けてくださってまして、大変子どものことを可愛がっていらっしゃいますので、子どものほうもお父さまが大好きで、大変なお父さまっ子でございます。
質問:殿下にお尋ねします。昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下と、時代とともに直系皇族の教育のあり方が変わってきていますが、ご自分の経験を踏まえて敬宮さまにはどのような教育をされるお考えですか。天皇陛下は昨年12月のご会見で「私にとり家族は大切でありましたが、昭和天皇をお助けし、国際儀礼上の答礼訪問を含め、国や社会につくすことはもっとも重要なことと考えていました」と話されました。敬宮さまを養育されるに当たってどう思われますか。
【皇太子さま】
私の父の陛下は、陛下がお育ちになったときとは違いまして、私を手元でもって育てて下さいました。私はこのことを本当にありがたいと思い、心から感謝しております。
教育に関しまして、陛下がかつておっしゃったことですけれども、それはまず、二つのことを陛下はおっしゃっておられます。
まず一つは、親子、兄弟が、一緒に住むということ。
そして、二つめは、教育を学校に任せるという、この二つのことを、陛下は私に、私、そして私のきょうだいに対して、してくださいました。
一番目の点につきましては、私は常に陛下と、両陛下とご一緒に、住むことができましたために、常にこう、親を見ながら育つことができたという点が挙げられると思います。
つまりこの、両親の姿を、両親のやりかたを見ながら、育つことができたということは、本当にありがたいことだったという風に思います。
私は、子どもにも、私たちのやりようを、よく見てもらいたいと思います。まあ、これは、私たちにとっても大変責任のあること(笑い)ではありますけれども。
また、同時に両陛下のなさりようも、よく拝見してほしいと思います。
私は、家族というものは、社会の最小の単位であると思います。家族を理解することによって、社会を知るということ、これがとても大切なことではないかと思います。
二番目に陛下がおっしゃった、教育を学校に任せたという点についてですけれども、陛下の場合には、従って、まあ、出る授業と、出席される授業と、出席されない授業というのがあった訳で、その結果として、学校生活に十分浸ることができなかったというふうにおっしゃっておられます。
私は、学校で教育を受けることができましたために、学校生活を楽しむことができて、また、学校生活を通して、いろいろな人と知り合いになり、交流を深めることができました。
子どもの教育については、今後、考えていきたいと思いますけれども、学校での生活を通して、さまざまな人と交流してほしいと思います。
また、家庭での教育も、私たちの経験を基に、考えていきたいというふうに思います。
それからあの、次にいま質問があった、陛下がおっしゃったことについてなのですけれども、私はあの、家族を思うことと、それから、国や社会に尽くすということ、これはあの両立することだと思います。子どもを育てていく過程でもって、子どもには、陛下をお助けして、そして国や社会のために尽くす気持ちを養ってほしい、というふうに思います。
でまた、愛子には、一人の皇族として、立派に育ってほしいですし、名前のように、人を愛して、人からも愛され、人を敬い、人からも敬われるような人に育ってほしいです。
今後、子どもからも、いろいろなことを学ぶことになると思いますけれども、子どもをよく見て、子どもの持っている可能性を引き出すような教育ができればと、考えています。
質問:敬宮さまの誕生でご公務は変わられましたか。殿下は先月のご会見で、今後のご公務について「子どもを取り巻く様々な問題にも理解を深めていきたい」「子どもに関する公務というものも今後、増えてくるのかなという感じがいたします」と話されました。そのお気持ちをもう少し詳しく、「ご公務」をどのように考えていらっしゃるのかも含めてお話しいただけませんか。妃殿下は今後のご公務の変化などについてどうお考えでしょうか。また、外国ご訪問の要請もあるかと思いますが、両殿下はどうお考えですか。
【皇太子さま】
私たちも子どもができたことによって、子どもを取り巻くさまざまなことに、関心を持つようになりました。子どもたちが安心して暮らせる社会ができるために、私たちの立場で何かこうお役に立つことがあれば、やっていきたいというふうに考えています。
また、外国訪問についてですけれども、いままでもそうでしたけれども、要請があれば喜んで行きたいと考えています。
【雅子さま】
私自身については、子どもが生まれてまだ日も浅いので、これからの公務が具体的にどのようになっていくのかということについては、まだよく分かりません。けども、ただ、子どもたちが愛されながら、子どもらしく、健やかに成長していくことができる社会を願っていきたいと思います。また、具体的な公務として、これまでも毎年秋に開催されている、あの、児童養護施設などで暮らしている子どもたちの文化祭に、日程の都合がつく限り出席していますけれども、これからもそういった難しい境遇に置かれている子どもたちには心を寄せていきたいというふうに考えております。いま、社会が大変な速度で変化しておりますので、こういった中で今後、子どもを取り巻くいろいろな、あのま環境とか、といったものは、ますます大きな課題になっていくのではないかしら、という気がいたしております。
質問:最初の質問の関連で、妃殿下におうかがいいたします。妃殿下は、生まれてきてありがとうという気持ちで胸がいっぱいになりましたと、おっしゃったときに、涙ぐまれたように拝見したのですけれども、その胸中にどんな思いがおありだったのでしょうか。難しい質問ですけれども。
【雅子さま】
難しいですねぇ。やはり、言葉の通り、やっぱりその生まれてきて本当にありがと、っていう気持ちですね。やっぱり非常に、何て言ったらいいんでしょうね、胸が一杯になるような…そういった体験かしら、と思いますけれども。すみません。母親になって涙もろくなってしまいまして……。恥ずかしい。
(04/03)
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