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夏の高校野球に13日、女性の球審が登場する。神奈川大会に参加する藤沢市の保健師藤原三枝子さん(48)。審判を始めて10年余、経験を積んだ目で白球と選手を追う。
藤原さんは99年、夏の大会で女性初の塁審を務めた。女性審判のパイオニアともいえる存在だ。毎年、夏は3試合ほど塁審をし、春の地区大会などでは球審もこなした。
県野球連盟の渡辺真・審判部長は、球審を任せた理由について「キビキビした動きで安定感があり、毎日8キロ余り走るなど努力もしている」と話す。
中学、高校でソフトボールに打ち込んだ。保健師となってからも趣味で楽しんできた。
十数年前、ソフトの練習後、隣のグラウンドで試合をしていた少年野球の審判を頼まれた。その時、二塁にいた審判が、明らかなセーフをアウトと判定。ベース上の少年が、目に涙をためて審判を見上げた。その場面が目に焼き付いた。それがきっかけで、講習会に参加するなど審判の勉強を始めた。
病院の集中治療室で勤務した経験もある。とっさに難しい判断を迫られるのは、審判と似ている。「気がついたら、また『白黒どっち?』と問われる場所にいた」
忘れられない失敗がある。
7年ほど前。中学生の試合で三塁の塁審をした時、外野への飛球が、地面に落ちなかったのを見てアウトと判定した。実際は、かがんだ拍子に脱げた帽子で捕っていた。この場合、規則では「捕球」とは認められない。藤原さんの判定は覆された。
高校野球の審判をするようになってから、「人間的な成長の場に立ち会える喜び」を感じる。
練習試合で凡ミスが出るたび、酔った観客から「やめちまえ」とヤジが飛ぶ。ある時、捕手が「殴ってやる」と防具を外し始めた。球審だった藤原さんは「君が殴れば酔っ払いはのびるよ。でもこの試合はどうするの?」と問いかけた。彼は黙って地面を見つめた後、防具をつけ始めた。試合後、彼は言った。「自分はすぐにキレちゃうんです。また来ていろいろ教えて下さい」
本番を前に、藤原さんは話す。
「平常心で正確な判定をするのみです。でも、いいゲームにしてあげたいという私の思いが、選手の起爆剤になったらうれしい」
(07/13)
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