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今春の選抜高校野球大会で無安打無得点試合を達成した東北(宮城)のダルビッシュ有(3年)が、最後の夏に照準を合わせ、じっくりと調整を続けている。右肩に不安を抱えているため、体づくりに重点を置いている。
人気は相変わらずだ。4日から7日まで秋田市などであった春季東北大会。グラウンドに現れると、カメラつきの携帯電話を持つ観客がフェンスに張り付いた。大会は東北の優勝で幕を閉じたが、ダルビッシュらしい活躍の場は少なかった。試合前、チームメートから離れ、入念にストレッチをする姿が目立った。
「肩に違和感がある。張っている感じです」
実は、痛めたのは3月の選抜大会前だ。「練習試合で投球数がかさみ、疲れがたまっていた」
夏までの時間が少なくなるにつれ、重圧は増す。4日夜には、宿泊先の若生正広監督の部屋で、30分ほど2人で話し込んだ。若生監督は「悩んだ顔をしていた。フォームについて気づいたことを言ってあげたら、だいぶ明るい表情に戻りました」
マッサージなどの治療を受け、少しずつ回復に向かっている。フォームも無理のない形に改造中だ。どう直しているか、本人や監督は口にしないが、テークバックの時に右ひじが背中側に深く入り過ぎないようにしているようだ。東北大会では3試合に救援。準決勝の羽黒(山形)戦では最速146キロを記録した。ただ、本人は「まだ本来の80%です。スタミナもない。もっと走らなければと思った」と納得していない。
取材を受ける際は、必ず主将としての顔を見せる。「チームは、まだまだ足りないものが多い」「打撃が粗いし、走塁ミスが目立つ」。夏にかける思いが強いからこそ、厳しい言葉が出る。
優勝候補に挙げられた春は準々決勝で優勝した済美(愛媛)に、9回2死からの逆転サヨナラ本塁打で敗れた。打球は左翼を守った自分の頭上を越えてスタンドに消えた。「練習中、いつもあのシーンが頭をよぎる」。当時からかぶっていた帽子を使い続ける。雪辱の誓いだ。
宮城大会開幕は、7月13日。
(06/10)
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