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夏の甲子園は、駒大苫小牧(南北海道)の初優勝で幕を閉じた。道勢の優勝は初めてで、深紅の大優勝旗は東北を飛び越え、一気に津軽海峡を渡った。長年、道勢の甲子園での優勝は難しいと言われ続けてきたが、駒大苫小牧がその「常識」を突き破った。全国制覇を果たした「力」とは何だったのか。「打撃力」「投手・守備力」「総合力」の3回に分けて試合を振り返った。
4割4分8厘(5試合・174打数78安打)。チーム打率は83回大会に日大三が記録した4割2分7厘(6試合・211打数90安打)を大幅に更新し、86回の大会の歴史に刻んだ。
決勝の20安打(決勝の最多安打タイ記録)を筆頭に、5試合すべてで2けた安打を放った。打球は外野手の間を鋭く切り裂くように飛び、選手が塁間を駆け回る光景が次々と繰り返された。
打ち崩した投手も多彩だ。大会屈指の本格派右腕、横浜(神奈川)の涌井秀章投手、スライダーが武器の日大三(西東京)の浅香明生投手、佐世保実(長崎)の左横手投げ当間敦投手。どんな投手にも臆(おく)さなかった。
相手投手の攻略法について、香田誉士史監督は「軸を崩されないこと」といい、練習中は常に体の軸がぶれないよう意識させていた。「軸を崩されると体が泳ぎ、球を引っかけてしまう。それでは強い打球は飛ばない」。試合前はマシンでの速球対策はせず、逆に遅い球を打つ練習が多かった。軸を崩さずに打つのに効果的な練習法という。
●わずか15三振、確実な犠打
三振の数も少ない。5試合で15(1試合平均3)。ファーストストライクを狙い打ちする積極性と、空振りやファウルを誘う変化球を見極める選球眼の良さがその要因だ。
選球眼について、横浜戦でサイクル安打を記録した林裕也選手は、試合中に糸屋義典捕手が気づいた球審の判定の癖を選手間で共有していることを挙げた。また、フリー打撃でボール球を打つと、選手間でも指摘し合うという。ビデオで投手の球筋を分析するだけでも、余裕を持って打席に立てたという。
ミートのうまさも目立った。初戦の佐世保実戦で本塁打を放った沢井義志選手は「昨秋から竹バットで練習した。芯に当たらないと手はしびれるし、何本折ったか分からない」といい、練習で芯を捕らえる手応えをつかんでいた。
見過ごせないのが、得点圏に走者を進めるための犠打の確実さだ。5試合で23(1試合平均4・6)。象徴は3回戦の日大三戦の8回だ。同点に追いつかれた後、先頭打者の安打を犠打で送って、適時打。さらに犠打でつないで適時打、そして適時打が出て3点を勝ち越した。いずれの犠打も1球で決めた。適時打3本のうち、2本が初球打ち。終盤のじりじりした展開で、相手投手がストライクを取りに来た甘い球を見逃さなかった。
(08/24)
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