山梨代表の日本航空は、甲子園でもフルスイングを貫き、持ち前の粘り強さを見せた。初の8強入りはならなかったが、「最後まで楽しくプレーできた」という日本航空の戦いぶりを振り返った。
伊藤雄波監督が「3点勝負」としていた2回戦の福井商戦は5点差をひっくり返しての逆転勝ち。「まだドラマがある」。山梨大会で接戦を制してきたチームはそう信じていた。
5点差をつけられた4回、鈴木が本塁打。「この1点が、大きかった」と伊藤監督は振り返る。5回、相手投手の制球難につけこみ、1点差。6回、連打で同点。7回、鈴木の適時打で勝ち越した。
福井商の2投手は、積極的にバットを振る姿勢にリズムを崩され、「どんな球でも打たれそうな気がした」と話した。
3回戦の駒大苫小牧(南北海道)戦でも「フルスイング」の姿勢は変えなかった。相手投手の切れのよい変化球に苦しめられ、「直球と思ったら手元で球が切れ、ボール球に手を出して」13三振を奪われたが、「自分たちの野球が表現できた」(伊藤監督)。
8回には、思い切り振り抜いた保坂が代打本塁打を放ち意地を見せた。
フルスイングは冬場のトレーニングで養われた。タイヤ引きや筋力トレーニングで筋力を強化。本塁打を放った鈴木、保坂はともに背番号2ケタ。中軸以外でも長打力があることも見せつけた。
投手陣は山梨大会同様に毛塚―長岡の継投で挑んだ。
福井商戦では先発・毛塚の直球が走ったが、力みから球は高めに浮いた。3回途中で長岡が救援。得意のスライダーが決まりだした5回からは調子を上げて0点に抑え、逆転に結びつけた。
3回戦の駒大苫小牧戦では、毛塚は球を低めに集めるように心がけた。2回戦の反省からだったが、「低めには決まるが、直球が走らない」。2回途中で早々降板した。救援の長岡もスライダーが決まらず、甘く入った球を打ち込まれた。
予想外の早い継投で、調子をつかむ前に相手打線につかまった2人だが、毛塚は「いつも後ろに長岡がいると安心して投げられた」。長岡は「ピンチで使ってもらえて信頼されていると感じた」。
惜しまれるのは失策や四球がらみでピンチを招き、失点につながった場面が目立ったことだ。
山梨大会では、シード校を次々に破って優勝した「最強のノーシード」。山梨大会、甲子園大会を通じて試合ごとに力を増し、山梨代表にふさわしいチームに成長していた。