西東京大会から止まらない勢いで、01年以来の8強進出を果たした日大三。準々決勝で宇部商(山口)に惜敗し、4年ぶりの全国制覇の夢はかなわなかったが、評判通りの長打力で甲子園をわかせた。
「東京らしく、スマートでハイカラなチーム」
3日の組み合わせ抽選直後、当初対戦するはずだった明徳義塾の馬淵史郎監督(当時)が語った日大三のイメージだ。
実際はそんなにあっさりとしたチームではない。西東京大会は圧倒的な点差で勝ち上がり、競り合う場面はなかったが、甲子園では追い上げられたり、先制を許したりしても泥臭く、粘り強い地力を発揮した。
初戦の高知戦。明徳義塾の出場辞退で突然、相手が変わった。球場の観衆の大部分は高知を応援するムードだったが、チームは持ち味を出した。
2回に江原真輔君の3点本塁打などで4点を先制しながら、5回に3連打などで2失点。相手エースのテンポに乗せられ、しばらく無安打が続いたが8回、多田隼仁君の一振りで流れを引き戻す。嫌なムードのなかでも大越遼介君は我慢の投球を続け、終わってみれば14奪三振の快投だった。
2戦目の前橋商(群馬)戦は序盤、先制を許す展開。しかし、直後に中山怜大(れお)主将の2点適時打で逆転すると、その後も着実に加点した。ヒーローインタビューで「長打は狙っていないけど」と照れながら話す姿も印象的だった。
チームは3試合で3本塁打を含む32安打。大越君の奪三振は31に上る。
桑田祥平捕手のプレーも記憶に残る。大越君のスライダーがワンバウンドしても、正面で受け、何度も後逸を防いだ。「強化合宿でひたすら練習した」という基本動作。その堅実さが買われ、大越君、多田君と共に、AAA世界野球選手権に出場する全日本高校選抜の候補に推された。