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試合終了後、涙をこらえながらクールダウンをする東海大菅生の福田君=立川 |
得意な直球を、思い切り振った。9回裏、6球目。「絶対、絶対、絶対あきらめないぞ」。そんなスタンドの声援に押されて入った最後の打席は空振り三振に終わった。
東海大菅生の3番、福田勇人君は主戦・村上剛輝君と対をなす左腕としても、チームの要だ。
「おれはあいつには勝てない」。村上君の控えに回りがちだった春の都大会。ところが、夏は福田君が中心でチームを引っ張ることになった。
「右の村上、左の福田」。二枚看板を立てるはずだった東海大菅生。ところが今年5月、村上君が右肩に痛みを訴えたことで予定が狂う。
「投手としても軸でいくぞ」。横井人輝監督から託され、村上君が投げられるようになるまでは、と覚悟を決めた。
早実と対戦したこの日。2回に長打を浴びて2失点したが、4回まで必死で抑えた。
5回表、今大会、初めて登板する村上君と代わり、ライトに下がった。後ろから村上君の投球を見守った。「ボールがちょっと浮き気味かな」。不安は的中し、連打などで2点を奪われた。
7回表、5点差がついた後、再登板した。村上君は一言、「頼む」。「オーケー、オーケー」と答えた。9回表、「3人で切れば、攻撃のリズムがつかめるはずだ」と力を振り絞る。三振、内野ゴロと続き、最後は7回に村上君から本塁打した打者を外野フライで打ちとった。
しかし、その裏の攻撃は、流れがつかめないまま抑えられた。
「村上が打たれたんなら仕方がない」「福田に頼ってばかりでした」。試合終了から約30分。泣き続けたまま、2人はバスに乗り込んだ。=立川