第87回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、県高野連主催)は、昨夏の決勝で1点差で甲子園出場を逃した高岡商が高岡第一に逆転勝ちし、幕を閉じた。本命不在と見られる中、第1シードが底力を見せた。今回大会を振り返る。
春季県大会と同じ組み合わせになった決勝は、第1シード同士ならではの力と力のぶつかり合い。攻撃力のあるチームの活躍が目立った今大会を象徴するような打撃戦になった。
■打力のチーム躍進
優勝した高岡商は打線が好調。チーム打率は通算4割3分8厘で、集中打で得点。6点差を逆転した決勝など、伝統の粘りの野球も見せた。
この打撃を引き出したのが堅い守備。5試合でわずか失策2と安定し、むだな失点がなかった。準決勝、決勝の人工芝でも危なげなかった。
高岡第一は準決勝までの4試合で犠打19と手堅い攻めで勝ち上がってきた。相手を突き放すことができない試合が続いたが、決勝戦では5、6回で9点を挙げ、主戦・松井も気迫の投球。大舞台で投打ともに力を発揮した。要所での守りのミスが惜しまれる。
2年連続4強と地力を付けた不二越工は準決勝で一時、高岡商を逆転。三鍋の好投が光った。2試合連続完封や1試合15奪三振などテンポの良い投球は爽快(そう・かい)だった。
ノーシードながら久々の4強入りを果たした古豪・桜井は1、2年生が主力。2番紙屋らを中心に機動力で快進撃した。他校とひと味違う野球は見る者を楽しませた。
3試合で7本塁打の氷見の破壊力も見応えがあった。中でも1試合で2本塁打を放った石出はまだ2年生だ。
■投手力で波乱も
前評判の高い投手がそろったのも今大会の特徴。高岡・小川、富山中部・吉田、小杉・中道、砺波工・小西らの名前が開幕前、多くの監督から「初戦で当たりたくない投手」として上がった。実際に、富山大会3連覇を達成した富山商が小杉に、秋季大会に優勝して夏の初制覇を目指した砺波工が高岡に初戦で敗れる波乱が起きた。
小杉・中道はカーブ主体の緩急をつけた投球で富山商打線を翻弄、高岡・小川は強気の内角攻めでいずれも評判にたがわぬ快投を見せた。富山商は途中登板の主戦・滝が力投しただけに、温存が惜しまれた。
一方、試合後半に制球の乱れや球威の衰えから打ち込まれるケースも見られた。暑さとの戦いでもある夏の大会を勝ち抜くために一層の体力作りが望まれる。また、けがを抱え実力を発揮できない主戦も目立ち、投手の調整の難しさを感じさせた。
優勝の1校以外はすべてが負けて終わる。3年間の練習のすべてを出し尽くしてもらいたいと願う。