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済美戦、主将の佐々木孝の一打で駒大苫小牧は盛り返した |
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決勝戦の6回、糸屋の2点本塁打で反撃の糸口をつかむ |
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ついに駒大苫小牧が北海道勢として初めて深紅の優勝旗をつかんだ |
まだ記憶に新しい04年の第86回大会。大会の長い歴史のなかで新たな1ページが刻み込まれた。深紅の優勝旗が初めて東北の白河の関どころか津軽海峡さえも越えたのだ。駒大苫小牧(南北海道)の優勝は多くの高校野球関係者を驚かせる快挙だった。
駒大苫小牧は、悲劇のチームとして知られていた。前年の第85回大会1回戦の倉敷工(岡山)戦。2回に打者13人の猛攻で一挙7点を取り、3回にも1点を追加。一方的に試合を進め、甲子園初勝利は目前と思われた。ところが試合途中から雨が激しくなり、4回裏途中で中断。そのままノーゲームに終わった。翌日の再試合は2―5で敗退。勝利の女神から見放された。
雪辱を誓った駒大苫小牧は雪が積もる冬の間、激しい練習を積み、ひと回り大きくなって再び甲子園に戻ってきた。
緊張の初戦。佐世保実(長崎)に先行されたが、3回に沢井の2ランで逆転。中盤以降もしぶとい打撃で得点を重ね、7―3で念願の甲子園初勝利を挙げた。
3回戦の相手は3大会前の優勝校・日大三(西東京)。4―4の同点で迎えた8回、1死二塁から鈴木の中前適時打で勝ち越し、さらに2点を奪って大勢を決めた。3回途中から救援に立った鈴木が13三振奪ったのも大きかった。
準々決勝は横浜(神奈川)。大会屈指の右腕といわれた涌井を、駒大苫小牧打線は序盤から打ち崩していく。2回、林の中越え本塁打で先制すると、中盤以降も着実に加点。林の史上5人目となるサイクル安打を含む18安打を浴びせる猛攻で6―1と下し、北海道勢としては、実に第14回大会(27年)の北海中以来のベスト4に進んだ。
強豪を倒すことで自信をつかみ、1戦1戦たくましく成長するチームは本当に怖い。それを目の当たりにした快進撃ぶりだった。
準決勝の東海大甲府(山梨)戦でも強力打線の勢いは止まらなかった。点の取り合いとなったが、4、5回に3点ずつ奪って優勢に。投手陣も2年生松橋から鈴木、岩田というリレーでかわし、10―8で逃げ切った。
道産子初の優勝となるか―――。5万2千人の大観衆が詰め掛けた決勝戦は、予想をはるかに超えた壮絶な打撃戦となった。
春夏連覇を狙う済美(愛媛)にいきなり2点を先行され、2回にも3点を失う。1―5という苦しい展開にも駒大苫小牧打線はへこたれなかった。
3回に2点を返し、4回には沢井、佐々木孝の適時打で3点を挙げて、一気に逆転。6回に済美に再逆転を許したが、その直後には糸屋が2点本塁打を放ち、五十嵐の適時打ですかさず同点。7回、2死三塁から佐々木孝の左越え二塁打で勝ち越し、続く桑島、鈴木の連打で3点差。8回にも1点を加えて13―10。9回は2死一、三塁のピンチで相手の強打者鵜久森を迎えたが、最後は鈴木が渾身の直球で遊飛に仕留め、激闘に終止符を打った。
優勝インタビューで香田監督は言った。「北海道勢でもやれるということを見せられたのがうれしい」。雪国のハンディをものともせず、猛打で頂点に立った駒大苫小牧の快挙は、これからも語り継がれていくことだろう。