次打者席でゴリラが泣いていた。京都外大西の主将、西下は体つきと容姿からチームメートに「西ゴリ」と呼ばれている。
そのシーンを見て、選手たちは、ある日の練習を思い出した。
「地獄のランニング」のことだ。昨年12月、50メートルダッシュを1日、100本もやった。それを4日間。 50本も過ぎると足は動かなくなり、走っている感覚もなくないという。
「終わった瞬間、みんなが泣いた。西ゴリも。でも、あれでみんながひとつになった。これだけ練習すれば、もうどこにも負けないという気になった」とある控え選手はいう。 この日、五十川が見せた少しでもスキがあれば、次塁を狙うという姿勢は、大会を通じて随所に見られた。失策はしたが寺本は球際に強いところを感じさせた。それもこれも「地獄のランニング」の成果に違いない。
敗れはしたが、練習量に裏付けされた自信に満ちた「西ゴリ」の顔。実に頼もしかった。(庄司信明)