浜風が、消えた。
大会8日目。右翼から左翼方向へ吹く甲子園名物の風ではなかった。右へ左へ本塁方向へと、スコアボード上の旗の向きが、くるくる変わる。
第2試合、聖光学院2回の守り。左翼手の斎藤崇は、右打者の大きな当たりにダッシュで下がるが、フェンス手前で振り向きざまにつかんだ。「もっと伸びると思ったのに、急に失速した感じ」。旗は左から右へとなびいていた。逆風で押し戻されたのだ。
大会本部で甲子園の気象を観測する民間気象情報会社、ウェザーニューズの気象予報士・増田雅昭さんによれば、浜風の正体は海風。晴れた日は海から、気温がより高い陸へ向かって吹くのだが、太陽が隠れる曇りや雨の日は吹きにくい。代わって山風など他の風が、甲子園上空に現れるという。
甲子園練習で多くの代表が確認する風の影響。風のいたずらも、屋根のない甲子園ならではのものだ。(山下弘展)