第4試合の一塁塁審を務めた川口幹也審判(45)は、三重県警名張署の桔梗が丘交番所長だ。今年も8人が参加した地方審判員の1人。選手としては果たせなかった甲子園出場の夢を、仕事と両立しながら、13年目でかなえた。
本業では地域の巡回、取り締まりなどで暴走族や非行少年の補導、指導にあたる。集団では悪がる子も、1人になると素直な子が多いという。何かに打ち込むことのすばらしさを見いだしてもらうためにも、なぜ審判員になったのかを少年たちに諭してきた。
甲子園に来る前、更生を目指す17歳の少年から電話をもらった。「おっちゃん、いつもおれたちをしかってるけど頑張りや。恥をかいたらあかんで」。その大舞台では「まだまだ私も学ぶことがいっぱいです」。
地方審判員の本大会参加が制度化して今年で43年目。その普及効果は単なる審判の技術向上だけではない。(佐々木宏)