追加点奪えず悔しさ夏に 西田和也主将
2007年03月27日
12回裏、試合終了の瞬間は、三塁ベースを回ったところで迎えた。本塁は遠かった。成田の西田主将は、唇を真一文字に結んで、その本塁に歩き出した。
捕手として、苦心のリードが続いた試合だった。「自分の投球ができていなかった」。唐川投手は序盤から連打を許す苦しい投球。「もっと楽に放れよ」。マウンドに歩み寄っては、笑顔で語りかけた。3回には相手のスクイズをはずし、ピンチを救った。
「思い切って投げろ。打たれたらおれの責任だから。任せろ」。中盤、マウンドでそう鼓舞した。「任せた」と答えた唐川投手は、終盤のピンチで何度も踏ん張った。
そんなエースを助けたかった。延長10回の打席。直球を左前へ運び、攻撃のきっかけを作った。後続も出塁して1死満塁。「浅いフライでいい。絶対本塁へかえる」。三塁で祈ったが、ライナーが二塁手の正面を突いて併殺。サヨナラ勝ちの好機を逸した。
広陵に勝ち越しを許した直後の12回の打席は、2死無走者で回ってきた。「ベンチで待ってろ。絶対、本塁打を狙う」。心の中で唐川投手に向けて言った。高めの変化球を思い切りたたいたが、打球はスタンドにわずかに届かず二塁打。「後ろにつないでくれ」。再び、塁上から次打者に祈った。しかし、内野ゴロで試合は終わった。
「西田はキャプテンとしてよくやってくれた。気持ちの強さがあった」。試合後、尾島監督はそう言ってねぎらった。しかし、西田主将は「今日は、自分が唐川を助ける番だったのに」と唇をかんだ。甲子園の土は持ち帰らない。「夏、絶対戻って来ます」
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