佐野日大、衝撃アーチでリズム崩す 粘りの反撃及ばず
2007年03月29日
「球場全体が中田(翔選手)を見ている」
 大阪桐蔭−佐野日大 1回表大阪桐蔭2死一塁、大阪桐蔭の中田を迎え、警戒する捕手安江
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投手と打者。1対1の真っ向勝負で、出井優太投手は異様な雰囲気を感じていた。
3回表1死。四球と死球の走者が一、二塁にいた。マスクをかぶる安江貞志捕手は「最後は内角」と決めていた。「中田は内角を攻めると体が開き気味になる」。1回戦のビデオ分析からそう確信していた。「中田は体がでかい」「外角だと真ん中に入ってしまう」「当たれば入ってしまう」……
2―2からの内角低めの直球。出井投手にとっては「自信のあるコース」。しかし、打球は軽々とスタンドに飛び込んだ。頭が真っ白になった。安江捕手には、流れが相手の方へ一気に引いていくのがはっきり分かった。押しとどめるすべはなかった。
本塁打の衝撃は、秋の公式戦で1試合平均0.2失策を誇る守備陣にも及んだ。
なお2点を追加され2死、一、二塁。二塁手の佐塚昌彦主将の頭上に高い飛球が上がった。背走したが、白球は青白い空に吸い込まれるかのように視界から消えた。「センターに任せよう」。しかし、ボールは風で戻され、佐塚主将のすぐ背後にぽとりと落ちた。この回、6点目が奪われた。
この試合、記録上、佐野日大は2失策だったが、送球の乱れやカバーリングの遅れなど、いつもならありえない見えないミスがいくつも続いた。
大阪桐蔭は打てない相手ではなかった。6回裏、5点目をかえし、なお1死満塁。「関東大会でも後半追い上げ、逆転できた。絶対に勝つ」。佐塚主将はねらい球を絞っていなかった。とにかく初球にくらいついた。
打球は右翼手の前へぽとりと落ち、さらに2点を追加した。「ここから逆転できる」。ベンチにそんな雰囲気が広がった。
後続も続き、この回、2点差まで詰め寄ったところで、3人目の投手が出てきた。変化球にてこずった。攻略する時間はもうなかった。結局、エースナンバーをつけた中田選手はマウンドに上がることもなかった。
自分たちに足りないもの、そして得たもの。甲子園での強豪・大阪桐蔭との対戦という、またとない経験を通じて、選手たちは胸に焼き付けたに違いない。
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