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力投する早稲田実の斎藤投手 |
左翼を守っていたエースは、6回裏、再びマウンドに戻ってきた。連投も3日目、先発して3回まで投げたこの時点での投球数が401球であることなどまるで感じさせない、涼しい顔で。
「レフトから早く戻りたい気持ちでマウンドを見てました」
13点と大量リードされていたこの回、和泉実監督に「おまえが絶対抑えろ」と送り出された。「次の回につなげる」。気迫で相手打者に向かった。そこにあったのは、早実を18年ぶりに選抜出場に押し上げたエースの意地だ。
和泉監督が「さすがに斎藤は斎藤だ」とうならせたのは8回。2連打や四球で2死満塁とした場面で、最後の打者をフォークで三振に仕留めた。「もう1点も与えたくなかった」と斎藤君。
マウンドを守っただけでなく、打撃では3番に座ったこの日、2安打と気を吐いた。「甲子園の打席は球がよく見えた。打ちやすかったです」。これまで仲間に打撃と守りで助けられてきた、感謝の気持ちで打席に立ったという。
疲れがなかったはずはない。だが、13―3での負けを、前々日から2日続いた関西(岡山)との引き分け再試合のせいにしたくはなかったのだろう。監督から先発を告げられたときは「当たり前だと思った」と言い切る。唯一の悔いは、「調子が良くても悪くても、思う通りの投球をしたかった」だった。
この大会で絶体絶命のピンチを何度も乗り切った。「楽しかった。また、絶対戻ってきます」
ただ戻るだけでなく、夏に目指すのは「全国制覇」だ。